JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
表紙はJAを映す"顔"2016年5月16日
JAの役職員一人ひとりは「JAの顔だ」と言われる。そうした自覚を持てということだが、するとJAの広報誌は組合員や地域の利用者にJAを知ってもらうためのもう一つの顔ということになる。広報誌は組合員とJAの心をつなぐパイプでもある。充実した事業・活動を行っているJAの広報誌には当然ながら力が入っている。広報誌の表紙は顔の中の顔である。時間を惜しんではならない。
◆子どもと季節物で
表紙の作成にはいくつかのパターンがある。
もっとも多いのは人物である。雑誌やパンフレットなどもそうだが、やはり人物が共通して、多くの人の目を引く。5月の号で衆目が一致したのはJA菊池(熊本県)の「いぶき」=写真=だった。
スイカとそれにかぶりつく子どものバランスがよく、子どもの表情、子どもの赤いほっぺとスイカの赤もうまくマッチしている。
付け加えると、熊本のスイカは5月が本番、材料の選択もよく、もちろん表紙の子どもはスイカ農家の子。さらに2、3面は見開きで菊池スイカの歴史、ハウスでの生産から選果場までを写真で紹介するなど細かい配慮がうかがえる。(4月の熊本地震で、JA菊池管内でも大きな被害が出ました)。
◆野菜は"芸術品"
なにげなく見ていては気がつかないが、野菜はアップで撮ると別の顔がある。写真はJAくるめ(福岡県)の「With You」=写真=で、こんな摂り方もあるのかと関心する。
ゴボウをアップにすると林立する丸太のようにみえるが、じっくり眺めるとまるで芸術品。それに食べたときの歯触りと香りがじわり感じられる。右隅に収まった小さな生産者とのアンバランスが、よけいにゴボウを引き立てる。
「白肌に詰まった極上の旨み」のフレーズ(短い文章)に納得してページを開くと2、3面にゴボウの特集で、ゴボウの機性のほかに、ポタージュスープの作り方などを紹介している。(表紙の人物の左上はそのスープだ。写真が小さくてわかりにくいが...)。
◆難しい「女性モデル」
簡単そうで難しいのが女性のモデルだ。一般雑誌などでは女優やコンテストの入賞者の登場となるが、JA広報誌ではだれを選ぶかで一苦労する。
JAの広報誌の場合、JA管内以外に住む女性の登場は、まず考えられない。この点でJA紀南(和歌山県)の「Kinan」=写真=は、これらの問題をうまくこなしている。表紙の女性は、管内の保育所で働く29歳の保育士で、当然ながら、組合員の子どもも預かっている。
写真の背景にも気を遣いたい。「Kinan」の撮影場所は公園とある。人物にピントを合わせ、背景をぼかすことで人物を浮きだたせることができる。当然、一眼レフのカメラは必需品である。
◆温か味を醸し出す
JAの広報誌の表紙の写真で最も多いのは家族の集合写真ではないだろうか。ただこれには、2世代家族や親子づれ、あるいは子どもだけなど、さまざまなパターンがあり、撮影もそれぞれ工夫が必要だ。
ただ並んだだけの記念撮影は避けたいが、みんなの表情を合わすのが難しい。
JA愛知西の「ぐりんぐりん」=写真=は、キャベツ畑での親子写真だ。視線はバラバラだが、なんとなく一体感を醸し出ている。白系のシャツの3人の顔が斜めに並んでいるのが全体のバランスをよくしており、手に持ったキャベツの緑が背景とマッチしている。
やはり2、3面にはこのキャベツ農家を紹介。写真に登場のお母さんが「子どもの『おいしいね!』が聞きたくて」と言っている。この思いが表紙ににじみ出ているのだろう。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日