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JAの活動:新世紀JA研究会 課題別セミナー

「樫山農業」で世界を幸せに 担い手・JAと循環システム2019年5月30日

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(有)樫山農園代表取締役 樫山直樹 氏

 徳島県にある国立阿南工業高等専門学校の建設システム工学科を1年留年し、21歳の時にアメリカへ2年間の農業研修に行きました。土木が専攻だったのに農業を志したきっかけは両親への恩返しです。留年した当時、自分の道に迷って音楽の道に進もうと決心して父に相談したとき、初めて父の思いを聞くことができました。

20190530 新世紀JA研究会 有)樫山農園代表取締役 樫山直樹氏樫山直樹氏

 

◆父の思い聞いて就農

 「誠実であること」「自分の人生を使って誰かの役に立つこと」「農業を通じて夢を、不可能を可能にすること」などを聞いた時、かっこいいと思い、また自分もそうなりたいと思いました。
 実はもともと農業というより虫がとても苦手で、それで農業も嫌いだと思っていました。しかし父の話をきっかけにやってみようと決意できたのです。
 一度は他に出て勉強もしてみたい。そう思い、どうせ出るならできるだけ遠いところということで、2年制のアメリカ農業研修に行きました。
 現地では大規模な農業法人で実際に働き、メキシコからの密入国者などによってアメリカ農業の現場が成り立っていることや企業的な農業経営を学び、2002年に帰国。帰国と同時に就農し、その時に父が言っていた農業実現をめざし一緒に法人化しました。
 アメリカの農業は大規模で効率的です。しかし、そこで育てていたトマトを食べる気にはなれませんでした。
 真っ青の状態で収穫したトマトをワックス剤のプールに漬け込み、労働力できれいに磨いて箱詰め、その後パレットごと真空にした状態で冷蔵庫に1か月以上保管し、出荷時にエチレンガスで追熟して出荷。安全なのかどうか当時の僕には全くわかりませんでした。
 日本の農業、特に父がやっていた農業は、コンピュータを使って環境制御し、手作業でていねいに育て、まるで我が子のような扱いでした。安全性やこだわり、品質・農法においては日本の方が優れていると帰国して感じました。しかし、非効率な面も多々あり、そこはアメリカを見習うべきとも思いました。
 以上の経験から、私にとっての第3の農業の形を目指すようになりました。
 簡単に言うと「こだわり農業の効率経営」です。経営理念にもそれをうたい、目指すべき「樫山農業」として表現しています。当農園の栽培部門は、フルーツトマト、水田、有機葉物野菜、菌床シイタケの4つです。
 この4部門それぞれに責任者を配置し、連携しながら人員配置や作業管理を行っています。また各部門が関連性をもっているのも特徴です。
 元々トマト栽培がメインでしたが、収穫後の植物残渣(さ)を、以前は産業廃棄物処理業者にお願いして処理していました。しかしコストがかかることもあり、水田に鋤き込んで肥料にできないか、ということで水稲栽培を始めました。

 

◆農地委託全て引受け

 17年前は水稲が60aだけでしたが、現在は80haです。いつの間にか地域の耕作放棄地になりそうな水田のほぼすべてを管理するようになりました。しかし地権者からお願いされる土地は、水田もあれば畑地もあります。
 こうして農地は全て受け入れていますが、これまで、水稲を大規模にやっている人が高齢化で、引退の時期が迫っており、JA東とくしまと共同でライスセンターを新設したり、農地中間管理機構の相談を受けたりしています。JA、行政、民間が手を組んで取り組まなければならないと感じています。
 また畑作では、JAの事業を利用し、ビニールハウスを25棟建てました。そこで有機の葉物野菜を栽培するようになったのです。有機栽培に必要不可欠なのは良質な堆肥です。
 徳島県はシイタケの生産量が日本一だったこともあり、友だちにたくさんのシイタケ農家がおり、そこから廃菌床の堆肥をいただいていましたが、最近になって廃菌床堆肥の人気が出て品薄になり、手に入らなくなったのです。だったら自分でということで、菌床シイタケの栽培も始めました。
 それぞれの部門が微妙に農繁期・農閑期のズレがあり、そこで作業分散も図りながら、一年中仕事が途切れないようにして正社員の雇用が可能になりました。

 

◆海外でもJVで農業

 また、外国人技能実習生にも協力してもらっています。しかし私が参加した派米農業研修とは違い、彼らは出稼ぎにきているだけだということが分かりました。そうではなく、人材の循環として、帰国後に働ける場所ができればキャリアが活かせ、彼らの人生にとってもメリットがあるのではないかと思うようになりました。
 理念にあるように、関わる人を自分の人生や仕事を通じて幸せにしていくのが私たちの目的です。そこでJICA(国際協力機構)の事業を活用して3者でJV(共同企業体)を形成し、ベトナムでの農業も模索し始めました。
 また、タイにおいても現地の大手企業と組み、農業生産に取り組んでいます。
 世界では人口はどんどん増えており、食料不足になる事が懸念されていますが、私達の力でできることを使って、生命の源である農産物の供給を通じて、人々が安全に、おいしく、健康になれるよう事業を展開していきたいと思っています。

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