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シリーズ:今さら聞けない営農情報

2020.02.14 
【今さら聞けない営農情報】第39回 ウィルス病一覧へ

 新型肺炎を引き起こすコロナウィルスが世界的に感染拡大して多くの死者が発生し、経済面にも大きな影響が出ています。不幸にも感染してしまった方や閉鎖された地域などの一日でも早い回復を祈るばかりです。

 このコロナウィルスは、症状が出ない潜伏期間中にも感染を拡散させてしまうことが厄介なところです。

 そもそもウィルスとは、核酸(DNAやRNA)の周りにタンパク質の衣を覆った生物と非生物の中間のような存在であり、ウィルス単体で増殖することはできず、生きた細胞の器官を拝借することでしか増殖できません。このため、人間の場合は、咳などで飛び散ったウィルスが喉の粘膜などに取り付き、体内への侵入を果たして発症します。作物の場合は、剪定傷や害虫の吸汁痕などの傷口から侵入し、作物の細胞の力を借りて増殖します。

 このウィルスにも色々な形があり、棒状のものや円形などが主なものであり、コロナウィルスは、比較的大きなRNAウイルスで、球形の外側にスパイク状の突起物があり、それが太陽のコロナを連想させることからコロナウィルスと呼ばれています。

 このコロナウィルスは、人間では呼吸器症状が中心のかぜウイルスで、成人を中心に発症し、子供の発症は少なく、通常のかぜの10~25%はコロナウィルスが原因とされています。ただし、まれに重症化するケースもあり、それが2003年のSARSウィルスや2012年のMERSウィルスであり、いずれも新型のコロナウィルスが原因です。

 ウィルス病は、感染のあとに増殖して症状を起こすため、ウィルスを体内に侵入させないようにすることが重要です。そのための手段が、人間であればマスクの装着や手洗いなどであり、農作物であれば作物に傷を付けないように注意することや、作物を傷つける害虫の防除を行うことです。

 特に農作物の場合、ウィルスの病害になってしまうと、発症後に治療する手段がなく、いったん発症してしまったら、ウィルスに冒された作物をほ場から抜き取り、焼却処分するなどしか感染拡大を防ぐ方法はありません。もちろん、抵抗性品種の導入や侵入を手助けする害虫の防除といった手段が無いわけではありませんが、作物のウィルス病を完全に防ぐには何らかの方法で侵入させないようにする手立てが必要です。作物がウィルス病を発症してからでは、治療する手段はないことをよく理解しておく必要があります。

 作物のウィルス病に対峙するには、予防手段が何よりも大切で、発症してからでは遅いということを肝に銘じておいて下さい。


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