JAの活動:今さら聞けない営農情報
コンプライアンス14 毒劇法【今さら聞けない営農情報】第72回2020年10月9日
安定した農業生産を行うために農薬が使用されますが、農薬の有効成分の多くは、化学物質です。
どんな化学物質にも毒性がありますが、その毒性が強いものについては法律によって、販売方法や保管方法が規制されています。その法律は、「毒物及び劇物取締法(略して毒劇法)」といい、日常流通する有用な化学物質のうち、主として急性毒性による健康被害が発生する恐れが高い物質を毒物又は劇物に指定し、保健衛生上の見地から必要な規制を行うことを目的としています。具体的には、毒物劇物営業者の登録制度、容器等への表示、販売又は授与(譲渡)の際の手続、盗難・紛失・漏洩等防止の対策、運搬・廃棄時の基準等が定められており、毒物劇物が不適切に流通されたり、環境への漏洩等が発生しないように規制されています。
農業現場で取り扱われる毒物劇物は、クロルピクリンやD-Dなどの土壌消毒剤や有機リン系の殺虫剤、一部除草剤などがあります。このうち、毒物、特定毒物の数は少なく、下表のとおりです。これに対し、劇物にしていされている農薬は、商品名で200を超えるものがあります。
毒物劇物を販売する場合は、1事業場(店舗等)ごとに資格を持った毒物劇物取扱責任者を配置しなければなりません。また、毒物劇物を販売(譲渡)する場合には、譲渡される側(農家など)の住所、氏名、毒劇物の名称、数量を記載した書面に押印をもらう必要があります。これは、毒劇物の不適正使用を避けるために必要な措置です。
また、保管の場合は、毒物や劇物ではない普通物とは分けて、鍵のかかる保管庫等に保管しなければなりません。また、保管の場所には、「医薬用外」の文字の他に、毒物が赤地に白、劇物が白地に赤で記載したプレート等を掲示しなければなりません。
毒物劇物は、使い方を誤ったり、用途外で使用したりすると大きな事故につながる恐れがありますので、販売者や使用者に対し、法令を遵守し、正しく取り扱いすることが、厳に求められています。
詳しくは、国立衛生科学研究所ホームページの「毒物及び劇物取締法Q&A」に詳しいのでご覧ください。
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