環境DNAで特定外来生物アライグマを検出 新技術を開発 農研機構2026年2月19日
農研機構は、環境DNA分析を用いた特定外来生物アライグマの検出手法を開発した。この手法により、アライグマの早期の捕獲やアライグマに適した被害対策の実施が可能となり、経済損失や生態系への影響軽減などへの貢献が期待できる。
図1:研究で開発した検出法の種特異性
農研機構は、野外環境中の河川水などからアライグマ由来のDNAを特異的に検出する環境DNA分析法を開発した。
アライグマは、深刻な農業被害を引き起こし、生物多様性を脅かすおそれがあることから特定外来生物に指定されてる。さらに、アライグマが、人やペットで感染例が増えている重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などのウイルスを媒介するマダニを、人の生活圏に運ぶ可能性も指摘されている。
こうした被害やリスクを抑えるには、まずは侵入や被害を早期に検出し、個体の捕獲やアライグマに適した被害対策を速やかに実施することが非常に重要。外来生物法の基本方針においても、国内に定着した特定外来生物について、都道府県は早期発見のためのモニタリングおよび被害防止を行う責務があること、市町村、国民、事業者は都道府県や国と連携して被害対策に努めることとされている。しかし、農作物への食害痕のみでは動物種の判別が難しい場合が多いことや、動物の姿が見えていても正しく種同定されないケースが多くあり、迅速な対策につながりにくいという課題があった。
そこで農研機構は、水域での環境DNA分析技術を陸上動物に応用。アライグマに特異的なプライマーとプローブを設計することにより、迅速かつ低コストでアライグマ由来のDNAを検出できる技術を開発した。この検出法は、痕跡が全くない場合でも、アライグマの侵入や被害の有無を把握できるため、早期の捕獲やアライグマに適した対策の実施に貢献。防除のコストや、経済、人々の健康、生態系への損失を最小限にできる。
具体的には、都道府県の公設試験場などでの分析が期待される。さらに、民間の分析業者へ依頼することで、生産者自身がアライグマの被害有無を確認したり、市町村、企業、市民団体などが行うネイチャーポジティブな活動の成果を客観的に評価する手段として活用できる可能性がある。
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