JAの活動:今さら聞けない営農情報
SDGs 5【今さら聞けない営農情報】第84回2021年1月9日
17のゴールと169のターゲットが定められたSDGs。「行動の10年」として、国民一人ひとりにできることをしっかりと考え、一歩踏み出す姿勢が求められています。「いまさら…」では、SDGsのうち農業に関係する項目について、農業関係者がどのように取り組んだらいいのかを考察しています。
今回は、SDGsゴールの1番目、「3.すべての人に健康と福祉を」を紹介します。
このゴールの意味は、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」で、9つのターゲットがあります。
そのターゲットの概要は表のとおりで、一見して農業に関係のなさそうなものばかり並んでいますが、よく見ると、3.4と3.dが農業に関連しています。
まず、3.4ですが、そのターゲットの内容は、「2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。」です。
農業には、自然にふれ、作物と向き合うことで精神的にダメージを受けた方の回復に役立つことはよく知られています。また、障害を持つ方でもできる作業と場を提供することで、社会参加の機会を提供できます。このことを活かし、全国各地の農業現場で行政と連携しながらリハビリや働く場の提供できるようになれば、農業が社会に大きく活かされることになると思います。
次に、3.dです。このターゲットの意味は、「2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。」です。
現在の日本においては、有害物への対策が徹底し、有害化学物質や大気・水・土壌の汚染による死亡及び疾病が発生することは、ほとんど無いと言えるでしょう。
では、このターゲットに対して農業ができることとは何でしょうか? それは、「できるだけ環境影響の少ない農業を心掛ける」ことです。現代でも、被覆肥料のマイクロプラスティック問題や過剰施肥による水質の富栄養化、農業機械から排出ガス、農薬等の過剰投下など、このターゲットに関係する課題はいくつもありますが、いずれも農業界が一丸となってかかれば解決できるものばかりです。
ただ、すでに多くの取り組みが進められていますので、10年後には全て解決し、農業界がこのターゲットを達成できていることを期待しています。

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