JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは75【今さら聞けない営農情報】第194回2023年4月1日
前回まで、肥料原料の価格の高騰に対応した、政府の肥料価格高騰対策事業の支援を受けるための化学肥料低減取組メニューの内容についてご紹介してきました。その中で、今後の農業の発展・維持のためにも国内の肥料資源を活用する必要があり、そのためには、堆肥、汚泥肥料、食品残渣、有機質肥料、緑肥作物といった有機質資材の活用が重要になります。そこで今回より、有効活用するために必要な知識についてご紹介していきます。
まず、最初が「肥料的効果」です。これは説明の必要はないかと思いますが、作物の生育に必要な要素、いわゆる肥料成分が有機質資材には含まれています。含まれる肥料成分は窒素やリン酸、カリウムといった必須要素の他、マンガンや鉄、カルシウムといったミネラルなどですが、何がどのくらい含まれるかは、有機質資材ごとに異なり、また同じ有機質資材でも製造場所によって異なります。このため、有機質資材を使用する際には、自分が使用しようとしているものに、何がどの位含まれているかをあらかじめ把握した上で、施用量を調整してやる必要があります。ただ困ったことに、有機質資材によっては、何が含まれているかが明確でない場合も多いので、その場合は、原材料でおおよその検討をつけて試してみるしかありませんが、肥料メーカーが製造する100%有機質肥料であれば、きちんと成分表示がされていますので、不安な場合はそちらを使用すると安心です。
次に「肥効増進効果」です。土中の肥料成分には、く溶性といって、土壌内にあるのだけど成分が溶け出さず、作物が利用(吸収)できないものがあります。これら、く溶性成分は、一般的には作物の根が出す有機酸の作用や微生物による分解によって、土中で作物が利用できる形に変化します。有機質資材は、有機酸を土中に供給したり、土壌中に善玉微生物を供給したり、微生物の増殖に必要な要素(餌)を供給して微生物の活動を活性化したりして、く溶性成分の分解を助けます。土中にあるく溶性の肥料成分はいわゆる地力というもので、有機質資材を施用することで眠っていた力を発揮させることができます。また、有機質資材は、肥料成分がゆっくりと分解して作物に吸収される形になりますので、効きはじめはゆっくりですが、肥効が長く続くといった効果が期待できます。もちろん、有機質の違いによって、その肥効の出方は異なりますので、事前にどのような効き方をするのか確認した上で施用する必要があります。
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