JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考え、まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
前回、飛散(ドリフト)のメカニズムをご紹介しましたので、今回はドリフトの防止法をご紹介します。
1.ドリフトリスクの低い製剤を選ぶ(使用剤型を変える)
水和剤や液剤など水で希釈して散布する製剤は、性格上、製剤以外の方法でドリフト対策を行わなければなりませんが、もし防除したい対象病害虫雑草に使用できる粒剤があれば、粒剤を使用することでドリフトのリスクは格段に減らせます。さらに言えば、水稲で使用するジャンボ剤や水口処理剤などはさらにドリフトのリスクを減らせます。ただし、粒剤を遠くまで飛ばすことを目的に作られた散布器具を使う場合は、圃場を通り越して隣接圃場に飛び込まないよう注意が必要です。
2.暴風ネットや覆いをかける(物理的に防ぐ)
散布液は風に乗って飛んで行くので、それを防ぐためには、隣の圃場との間に防風ネットを設置したり、かかってほしくない作物にあらかじめ不織布ネットなどをかけて飛散してきた農薬がかからないようにすることで物理的に防ぐことができます。この方法は、確実ではあるのですが、手間と費用がかかるのが難点です。多くは、果樹栽培や小面積の無農薬栽培圃場などへの飛散防止対応などに使われています。
3.隣接圃場にも登録のある農薬を使用する
農薬取締法は、登録作物を遵守事項にしているので、近隣の作物を調べ、もし万が一飛散してしまっても農薬取締法違反とならないように、隣接圃場の作物にも登録のある農薬がある場合はそれを選ぶようにします。ただし、効果面や使用回数制限などを十分な検討が必要です。
4.飛散が少ない散布方法を選ぶ
少水量散布法、飛散防止カバー、霧無ノズルなど、飛散を少なくする技術が開発されていますので、それらが利用できる場合は積極的に利用します。特に水希釈散布の場合、散布の水滴が大きく、遠くに飛んでしまう小さな粒子がほとんど無い"霧無ノズル"を使用するだけで、かなりドリフトを減らせます。ただし、これらを使用した場合、散布の粒子が大きく作物の表面全体を薬剤の膜で覆いきれないこともあり、浸達性や浸透移行性が少ない有効成分によっては、十分な効果を発揮できない場合もあります。なので、農薬製品の使用上の注意事項をよく読んで使用できるか確認するようにして下さい。
このような対策の詳細は、日本植物防疫協会ホームページに詳しく掲載されているので参考にして下さい。
重要な記事
最新の記事
-
准組合員問題にどう向き合うか 11月15日に農協研究会開催 参加者を募集2025年9月16日
-
ファミリーマートと共同開発「メイトー×ニッポンエール 大分産和梨」新発売 JA全農2025年9月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」北海道訓子府町で じゃがいもの新品種「ゆめいころ」を収穫 JAタウン2025年9月16日
-
山形県産「シャインマスカット」品評会出品商品を数量限定で予約販売 JAタウン2025年9月16日
-
世界初 土壌団粒単位の微生物シングルセルゲノム解析に成功 農研機構2025年9月16日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(適用地域追加)NOSAI全国連2025年9月16日
-
林業の人手不足と腰痛課題解消へ 香川西部森林組合がアシストスーツを導入 イノフィス2025年9月16日
-
農業支援でネイチャーポジティブ サステナブルの成長領域を学ぶウェビナー開催2025年9月16日
-
生活協同組合ユーコープの宅配で無印良品の商品を供給開始 良品計画2025年9月16日
-
九州・沖縄の酪農の魅力を体感「らくのうマルシェ2025」博多で開催2025年9月16日
-
「アフガニスタン地震緊急支援募金」全店舗と宅配サービスで実施 コープデリ2025年9月16日
-
小学生がトラクタ遠隔操縦を体験 北大と共同でスマート農業体験イベント開催へ クボタ2025年9月16日
-
不在時のオートロックも玄関前まで配達「スマート置き配」開始 パルシステム千葉2025年9月16日
-
全国のうまいもの大集合「日本全国ふるさとマルシェ」東京国際フォーラムで開催2025年9月16日
-
産地とスーパーをつなぐプラットフォーム「みらいマルシェ」10月から米の取引開始2025年9月16日
-
3つの機能性「野菜一日これ一杯トリプルケア」大容量で新発売 カゴメ2025年9月16日
-
「国民一人ひとりの権利」九州大学教授招き学習会実施 パルシステム2025年9月16日
-
「フルーツの森 あお森」とコラボ第2弾 青森県産「生プルーン」贅沢スムージー発売 青木フルーツ2025年9月16日
-
「キッコーマン豆乳 Presents 豆乳フェス2025」新宿で10月に開催2025年9月16日
-
群馬県農業技術センターにキュウリ収穫ロボットをレンタル導入 AGRIST2025年9月16日