JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。しかし、農薬をより効率よく正しく使用するためには、製剤の選択の他に散布対象となる作物やその生育ステージ、あるいは病害虫雑草の生態に合わせた使い方も重要になります。このため、現在、病害の生態に合わせた防除の考え方をご紹介しており、前回は糸状菌病害の防除タイミングをご紹介しました。今回は細菌病の防除タイミングについてご紹介します。
細菌性病害防除のポイントはなんといっても予防です。はっきりいって、発病後に病勢を抑える手段は無いと考えていただいた方がよいほどです。なぜなら、細菌は増殖が速く、増殖適温時には24時間で1万倍を超えるほどの数に増殖できる能力を持っているからです。このため、感染前に効果のある殺菌剤を予防的に使用することと、それと同時に感染しにくい環境を整える耕種的防除を同時に実行することが必要になります。
細菌病に効果のある殺菌剤には、銅剤や抗生物質、オキソリニック酸剤、あるいは抵抗性誘導剤などがありますが、いずれも十分な効果を発揮させるためには、発病前の予防散布が必要です。細菌病の多くは、作物の気孔や管理作業や風等の外的要因でできた傷口などから侵入しますので、特に、台風など作物に傷が発生する恐れがある気象条件が予想される場合は、それらの気象が起こる前に予防散布を心がけ、できれば台風一過後にも速やかに殺菌剤を散布するように心がけます。
また、細菌病の多くは、病原細菌を含む土壌が雨や風などによって跳ね上げられて作物に付着し、傷口等から侵入します。また、細菌病は気温が高く、湿度が高い時に発生しやすくなります。そのため、マルチなどで土の跳ね上げを防ぐだけでもかなり発生を抑えることができますし、同時に作物周辺の湿度を下げる効果もあるので、おすすめの方法です。もし可能であれば雨除け栽培なども細菌病を抑えるには優れた方法です。
いずれにしろ、作物によって実施できる細菌病対策が異なりますが、実施が可能な細菌病対策は全て行うのが細菌病を減らすコツになります。
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