日本バイオスティミュラント協議会の講演会 エビデンス示し普及を加速 グローバル化も視野 2026年3月24日
日本バイオスティミュラント協議会(JBSA)は2026年4月1日、東京都文京区の東京大学・弥生講堂一条ホールで「バイオスティミュラントを知る ~バイオスティミュラントの国際的潮流と日本の最前線~」と題して、大規模な講演会を開催する。国内外の第一線の研究者を招き、最新のエビデンスと社会実装のあり方を提示する。講演会の特別実行委員長で、本田一馬理事(デンカ)に、講演会の目的や今後の取り組みを聞いた。
講演会の特別実行委員長の本田一馬JBSA理事(デンカ)
――今回の講演会の目的は。
JBSAは年に1回、外部の方も対象にした講演会を開いており、会員向けにも年に数回の勉強会を開いています。今回は大規模な講演会になるため、広報・企画やイベントの委員会から横断的にメンバーを集めた臨時委員会を作り、私が実行委員長に就きました。米国からバイオスティミュラント(BS)の権威でもあるカリフォルニア大学デービス校のパトリック・H・ブラウン特別教授を招き、BS資材の世界的な動向を共有するとともに、東京大学の藤原徹教授や理化学研究所の関原明チームディレクターなど、国内第一線の研究者にも登壇していただきます。
JBSAの正会員は資材メーカーが多く、これまではBSの自主基準作りと農家のみなさんへの啓発を二つの柱にしてきました。2025年に農林水産省が「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」(GL)を公表し、JBSAもこれに準じた自主基準を整備しました。こうした大きな節目に当たり、国内の最前線とともにグローバルな動向もご紹介することになりました。
――ブラウン特別教授を招くきっかけは。
世界最大級の国際会議「バイオスティミュラント・ワールド・コングレス」にJBSAからもメンバーを派遣し、その場でブラウン特別教授とコンタクトをとることができました。欧州に次いで米国はBSの制度設計などが先行しており、その動向は常に注視してきました。ブラウン教授はアカデミア(学術研究者)として植物栄養学を専門とし、微量要素の作用機序などを研究されており、近年はBSの効果検証や論文レビューも手がけています。また、肥料関係の協議機関で制度整備にも関わるなど、BSの実装にも詳しく、この分野では世界トップの存在です。
――BSのメカニズムの解明は重要です。
これまで、BSはなぜ植物に効くのかというメカニズムが「ブラックボックス」な面がありました。肥料や農薬と異なり、植物の代謝や活性化のプロセスがあまり解明されていませんでしたが、ブラウン教授はこの分野に切り込んだ研究をされています。
農水省のGLやJBSAの自主基準が明確になったことで、国内メーカーの足並みも揃ってきました。次のステップとして、この講演会を機に、日本の高品質なBS資材を海外市場へ打ち出していく、グローバル化の足がかりにもしたいと考えています。
――研究面での日本の立ち位置は。
欧米が「BS」という括りで先行しましたが、日本にも土壌改良や有機質資材を活用してきた歴史や伝統があります。最先端の研究では日本も負けていませんが、製品数などの発信力では欧米や中国に一日の長があります。今回、国内外の研究者が交流することで知見を共有し、メカニズムの解明が一層進むと期待しています。
――JAや農家の理解も重要です。
講演会は広く一般に呼びかけています。業界として確かなエビデンスを示し、「決して怪しいものではない」ということを正しく認識していただき、安心してお使いいただきたいですね。現場の視点も重視し、サカタのタネの高木篤史氏やJA全農の耕種資材部からも、使う立場として講演をしていただきます。JAの営農担当者や生産者のみなさんにもぜひご参加いただきたいと考えています。
――これからのBSの開発方向と協議会の活動は。
農家の困りごとを把握し、その解決に役立つ資材開発が必要です。BSは万能ではありませんから、他の資材や技術と組み合わせる「交流」も進める必要があるでしょう。食料安全保障が大きなテーマとなる中、JBSAとして講演会活動は今後も継続します。
自主基準では、25項目の効果・効能に合わせて各社の製品に表示できる仕組みを作りました。ラベルを見て「JBSAの基準だから安心だ」という信頼につなげたい。今後はこの基準を効果的に運用するステージに入ります。農家の不利益にならないよう、施用時期や量など実際の運用を分かりやすく示していくにはどうすればいいのか。農水省とも情報交換を継続しながら、協議会として議論を深めていきます。
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