JAの活動:年頭あいさつ2018
佐藤 喜作 氏(一般社団法人農協協会 会長)2018年1月1日
戌年にあたり犬から学ぶ
謹んで戌年の年頭のご挨拶を申し上げます。
過ぎにし酉年は、近年にない激しい大問題の噴出で、心休まる時のない暗澹たる年でした。気象条件も激変し、豪雨が大地を叩きましたが、私はこの豪雨を「雨津波」と名付けました。北九州と秋田は2度この雨津波の襲来を受けました。水害の多くは長雨による被害でしたが、こうした自然災害も自然発生ではなく、その元凶は人間にあるように思います。
翻って人間界は、紛争、テロ、軋轢、差別、政争、優勝劣敗、欺瞞横行、自由勝手、独裁、恫喝などが充満し、すべての国が戦備おさおさ怠りなく、破滅のために貴重なお金を湯水の如く費消されているのでした。
とりわけ我が国は、理由なき突発的な衆院解散による総選挙で、消費税増税分の教育予向けの是非が問われました。これよりもっと大事な共謀罪とか集団自衛権などの重要案件は閣議決定で済ませているのにです。こんなことでは、毎年選挙を行わなければならないのではありませんか?
いま国民の再重大関心問題は、平和維持と癌をはじめとする健康問題です。そして国土を守護しながら、すべての国民が毎日必要な食料を生産する農村の農業が消滅しつつあることですが、政策論点には農の「の」の字もなく、それに加えて、主体的に農業や地域を包括して奮闘してきた農協は「改革」の名の下に骨抜きにされ、解体される危機を迎えています。呆れ果てて、モノをいう気力もなくなってしまいそうでした。
こうした中で、新たな年・戌年を迎えました。戌は干支では11番目ですが、哺乳動物で、人間に次いで知能が発達していると思いますし、人間のパートナーとしても最初の動物であったと思います。優れた嗅覚と聴覚が発達し、人間の意を解して、番犬、狩猟、護羊、労役、警察、愛玩などとして馴染み深い関係にあります。
そして、秋田犬の「忠犬ハチ公」の飼い主に対する「ひたむきさ」、樺太犬のタロー・ジローの南極での「しぶとい生命力」やそのほかの多くの逸話からは、人間が学ばなければならないことが多くあると思います。
いま農民、農村、農協は叩かれ、打ちひしがれているように見えますが、それに負けずに、秋田犬のひたむきさ、樺太犬のしぶとい生命力からヒントを得て、明日に向かって大きく挑戦する年にしたいと思います。そのためにも、すべてに優先しなければならぬのは「健康」です。みんなで力を合わせて頑張りましょう。
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