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特集:【緊急特集・JA対話運動】

2019.06.24 
【緊急特集・JA対話運動】第13回<今野邦仁JA全青協会長>自分の農協原論を語ろう一覧へ

 JAの役職員が取り組んでいる対話運動--。今野JA全青協会長は、将来の地域農業とJAを担う青年農業者は、青年部活動を通じて盟友間で、あるいはJAの若手職員とともに、「自分が考えるJA像」をもっと語るべきだという。その思いを聞いた。

20190624 JA対話運動 JA全青協会長 今野邦仁氏今野JA全青協会長

 

◆震災時、底力を実感

 青年部の盟友でも長年活動している盟友とつい最近入った若い盟友とでは、やはりJAが自己改革に取り組んでいることについて知識も意識も違います。しかし、みなJAに頼っているし、それはもともと強いJAが存在するからだと思います。
 私が改めて思ったのは北海道胆振東部地震のときです。JAグループの本当の強みというのは、こういう有事の際にどれだけの人や物が動き出し、スピード感を持って対応していくかですが、その底力をまざまざと見せられました。
 たとえば、農政運動を担当している部署であればすぐに永田町、霞ヶ関に走っていく、共済連は被害の査定に動き出す、厚生連は被災地に医師や看護師を派遣する、金融部門も組合員の貯金引き出しにいち早く対応する。JAでは職員が部署に関係なく現場の情報を上げるために現地に入る。さらに各都府県からも支援がただちに集まり出す。私は准組合員も含めて組合員には、決して任せっぱなしという意味ではないですが、JAに任せておけば安心、自分のバックはJAだという気持ちがあると思います。

 

◆地域のための協同組合

 JAグループの持つインフラもその安心感につながっていると思います。北海道ではホクレンが非常に多くのガソリンスタンドを持っています。過疎地であっても存在する。Aコープもそうです。JAと大きく書かれた倉庫もあちこちにある。
 そうしたインフラは有事の際にもフル稼働して対応しますが、それは組合員のためだけではなく地域の生活や経済を支えていることを、前述の災害時にも目のあたりにしました。
 また日常的にも、たとえば厚生連病院は、過疎地の医療対策だけでなく産婦人科と小児科の医師の確保もしていきますが、それは農業の担い手だけでなく、地域の後継者を育てていくためには必要だからです。それはJAの正組合員であるわれわれのためだけにやっているわけではありません。民間団体でありながら、地域の担い手である林業や漁業者、あるいはサラリーマンなども含めて、地域に住む人たちの医療を考えている。JAバンクも同じことです。ところがそういう存在が地域では当たり前になっている。
 政府の行っている「農協改革に関するアンケート」では、認定農業者とJA側の回答に差があることが課題視されていますが、私はむしろ、JAに対する「地域にあって当たり前」という安心感があることの表れではないかと思います。当たり前の存在だから特に評価が高くなりもしない。一方で、JAグループの行う対話運動では、アンケートでは分からない声を聞いて、JA運営に活かしていくことが重要だと思います。

 

◆「今野の農協原論」

 地元の青年部活動を通じて思ったのは、本来、JAは自分たち組合員のための協同組合であるはずなのに、組合員自身が協同組合というものをちょっと面倒くさいものと考えているのではないかということです。何か難しい学問のように考えているというか......。しかし、協同組合の恩恵にいちばん預かっている組合員が、協同組合という組織から目を背けてしまったら、本末転倒です。
 そこで地元の青年部活動としてやってきたのはいろいろなJAを見てもらおうという視察です。100あれば100のJAがあるわけですから、それを感じてもらう。
 全青協としては毎年海外研修を企画していますが、来年はドイツのライファイゼンに行くことにしました。政府から農協改革が求められたからではなく、逆に今、自分たちで協同組合とは何かをもう一度考えてみませんかと、盟友に参加を呼びかけていきます。
 教科書で協同組合を学ぶのではなく、まずは見て、聞いて、触ってみませんか、ということです。百聞は一見に如かずです。
 そのうえで、100人いれば100通りのJA像を考えてもいいと思います。協同組合という何か難しい原典があって、それを読まなければ分からないというものではない。私であれば、前述の北海道の震災でこんな活動で地域を支援してくれたということを「今野の農協原論」としていい。そんな自分たちの考えるJA像を、世の中に対しても見せてやろうという姿勢があっていいのではないかと思います。
 また、JAは担い手を育てることも大事と言われていますが、若い盟友に対して、みんなは日本の食料を担っている担い手なんだよ、ということを伝えることは、われわれ青年部の役割でもあり、組合員間での対話も重要だと思っています。
 これまで先輩たちは米価運動やウルグアイラウンド交渉を経験し、最近ではわれわれもTPP反対運動などに取り組みました。歴史、経験を見ても、かたちやテーマは違っても、私はJAは運動だと思っています。

 

◆今こそ対話運動を
 
 JAにとって、若い組合員、盟友の声を聞くことも大事だと思います。これはJAグループ北海道としての取り組みですが、道大会で決議したことの1つに青年部、女性部が中心となって、各単協で若手職員と話し合う小さなグループワークを作る取り組みがあります。対話というと、資材価格などの具体的なことにもなりがちですが、この取り組みでは、協同組合って何だろうということを話し合う場としたいと思っています。農協改革集中推進期間が終わってもJAは不断の自己改革を続けていきますが、このグループワークの取り組みはちょうどそれと重なります。
 JA、協同組合とは、組合員が対話したり、相談したりすることが第一義であり、最重要なのかも知れません。ただ、戦後は食料増産が求められるなどの時代の要請もあって、対話には制約もあったと思います。
 それが今の時代になり、今こそ、組合員との対話や相談を通じて新たなJAを作っていく下地ができたのではないかと思います。ですから、とことん話し合わなければなりません。

 

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