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地震・原発・アホ大将【小松泰信・地方の眼力】2026年1月7日

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1月6日10時18分頃、島根県東部を震源とし、同県と鳥取県で震度5強の地震発生。その後も地震が相次いだ。

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気になる島根原発

 日本農業新聞(1月7日付)によれば、島根県において、農地の一部で液状化が発生し、農道のひび割れも確認された。JAしまねくにびき地区本部の倉庫の外壁が崩れて市道に散乱。同JA雲南地区本部の天井パネルが落下。人的被害はないとのこと。
 松江市に立地するのが島根原発。中国電力によれば、同原発では震度3の揺れを観測し、再稼働した2号機の運転に支障はなく、1号機は廃炉作業中だった。そして大気中に放射性物質は漏れていないという。
 地震のたびに原発の状況が気になるということは、地震列島に原発は存在すべきではないことを示唆している。

中部電力に原発を運転する資格なし

 皮肉なことに、地震発生時に目を通していたのが、「浜岡原発 地震評価過小疑い 中部電 再稼働審査中断」という毎日新聞1面の記事(1月6日付)。
 それによれば、中部電力は5日、浜岡原発3、4号機(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、耐震設計などのもとになる基準地震動を恣意的に選定し、過小評価する不適切行為をした疑いがあると発表した。規制委は昨年12月19日から審査を中断しており、再稼働の大幅な遅れは必至の状況となった。
 同紙(1月7日付)の社説は、基準地震動が、原子炉建屋など施設の耐震性を評価する前提となることから、「安全性の根幹にかかわるデータであり、審査の最重要項目だ」とし、「東京電力福島第1原発事故を受け、科学的根拠に基づく安全性確保が最優先になっていたにもかかわらず、不正を働いたとすれば信じがたい」と慨嘆する。そして「法令順守意識の低さは極めて深刻だ」として、「中部電に原発を運転する資格はない。再稼働の審査申請を取り下げるべきだ」と断罪する。

東京電力福島第1原発事故発生から丸15年

 「東京電力福島第1原発事故発生から丸15年の節目に、夢をたたえた『ふくしま』の未来を描けるか。鍵を握るのは、今後数十年続くとされる廃炉の行方に違いない」で始まるのは福島民報(1月5日付)の論説。
 東電が廃炉完了の目標とする2051年まで、あと25年。1~3号機の原子炉内に計880トンあるとされる溶融核燃料(デブリ)の取り出しが最大の関門だが、工法変更で3号機の着手時期がずれ込み、放射線量の高い1号機に至っては具体的工程すら示せていないとのこと。この冷厳な事実が、15年経っても道半ばどころか、1ミリも前進していないことを物語っている。

原子力規制庁がこれだから

 ところが、原子力村がいかにずさんな世界であるかを伝える記事を見つけて唖然とする。
 西日本新聞(1月7日付)によれば、原子力規制庁の職員が昨年11月、私用で訪問した中国で業務用のスマートフォンを紛失していた。それには、機密性が高いため公表していない核セキュリティー担当部署の職員名や連絡先が登録されていた。スマホは見つかっておらず、規制庁は「情報漏えいの可能性が否定できない」として、国の個人情報保護委員会に報告したとのこと。なお、この部署は、国内の原子力施設にある核物質を守るための対策を担当する。テロ攻撃を受けたり、核物質が盗まれたりしないよう情報管理の徹底が必要で、担当職員の氏名や部署の連絡先は原則公表していないそうだ。
 背負った任務の割にはだらしない規制庁が、悪知恵に長けた電力会社、そして一度暴れたら手に負えない原子力を規制できる訳がない。この国は自然的条件に加えて、社会的条件からも原発を有する資格のない国である。

外患はトランプリスク

 原発に象徴されるこの国の危機的状況を内憂とすれば、外患は米帝のトランプ大統領。
 日本経済新聞(1月7日付)は、国際情勢を専門とする米調査会社ユーラシア・グループが5日に発表した、2026年の世界の「10大リスク」に関する報告書を紹介している。首位が「米国の政治革命」、3位が「トランプ版モンロー主義」。
 「米国の政治改革」に関して報告書は、米司法省と米連邦捜査局(FBI)が「業務上の独立性を剥奪され、完全にホワイトハウスの政治的武器となった」とし、トランプ氏がこれらの権力を自身に敵対的な報道機関や法律事務所、大学などに対する調査や訴訟に利用していると言明している。氏が共和党内の反対勢力を排除したことなどが、「17年なら言語道断と思われたであろう(トランプ氏の)振る舞いを『常態化』させた」と強調している。さらに在任中に「レガシーを定着させようと、(略)リスクを取るようになる」と説明し、行政機能の政治的な運用をより強めるとの認識も示している。
 「トランプ版モンロー主義」については、ベネズエラのマドゥロ大統領の拘束作戦として具体化し、トランプ氏に勝利をもたらしたとしたものの、ベネズエラの政権移行は容易ではないと報告書は警告している。

アホな大将敵より怖い

 「麻薬テロへの関与を口実に他国の首都に軍を送り込み、その国の大統領を拘束するのは常軌を逸した行動だ。法を無視した『力による支配』は国際秩序の崩壊につながりかねず、極めて危うい」で始まるのは、福島民友新聞(1月6日付)の社説。
 「自国の経済利権のために圧倒的な軍事力を行使したのであれば、かつての帝国主義と何ら変わりない」と急所を衝き、国際社会への法的根拠の説明をトランプ氏に求めている。
 北海道新聞(1月6日付)の社説は、高市早苗首相が年頭記者会見で、アメリカの暴挙への評価を避けたことを「黙認」と切り捨て、「米側に厳しく抗議し、国際社会に対して外交による事態の解決を強く訴える」ことを求めている。
 首相が中ロを念頭に「覇権主義的な動きを強めている」などと厳しく指摘してきたことや、台湾有事が存立危機事態になり得ると国会答弁し、対中関係の悪化を招いていることを指摘し、「同盟国だからといって同様の行為を否定しない二重基準では、主張は論拠を失う。米側にも力による現状変更は許されないことを訴えるべきだ」と厳しく迫っている。異議なし!
 「世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」気があるのなら、帝国主義者に国際法の遵守を説け。まぁ無理か。今春にも予定されているアメリカ訪問の手土産は、自衛官の尊い命ですか。だとすればアホ大将ここにあり。

 「地方の眼力」なめんなよ

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