JAの活動:年頭のあいさつ2020
佐藤 喜作 氏(一般社団法人農協協会 会長)2020年1月1日
協同の力で持続可能な世界を拓きましょう
新年の御挨拶を申しあげることのできる幸せで一杯であります。そして各位皆様や自然の生きとし生ける物の、幸せを祈念いたしたいと存じます。令和2年は干支では子年(ネズミ)です。ネズミが何故干支の最初の動物になったのか。それはネズミ算式に物が増える事を願ったのかも知れません。また方角では北を意味し、時間では真夜中を意味しているようです。
亥年の昨年はただならぬ異変気象で甚大な被害を受けました。過去の災害の復旧も終わらぬ中での被災を考えると絶句しかありません。世間では天災と受けとめていますが私は人災と捉えています。私たち農民は深山・里山、原野、水路ばかりか農地までも荒らしてしまったのです。豪雨は忽ち陸津波に変身して襲って来たということです。
高齢化、少子化、食の乱れによる病の蔓延、隠れた致命的な公害の後始末も大きな課題です。それに加えて人々の精神的不安定も深刻な状況になってきました。しかしこれらが、拡大し統ける都市で解決が可能でしょうか。我田引水と言われそうですが、解決の鍵は 農と農村にあると思うのです。
われ等の先祖は、日本人の最も大事な『宝』は「金銀財宝ではなく」、『田からの物』の稲だという言葉を、教えてくれました。稲は日本人にとって万能ともいえるものです。いま米の消費量が低下する中で生活習慣病や癌を始めとする難病、奇病の死亡率が上昇し、改めて先人の言葉を思い起こし、農と農村の重要性を噛みしめています。
世の中にはいろいろな考え方があり、さまざまな経済体制があります。私はこれからは協同組合の時代だと考えていますが、残念ながらわが国の政府は協同組合理念・運動を理解できずに、無力化するような法律を決めてしまいました。
そうした動きにひるむことなく、新たな年は、社会を治し人々の幸福を守ることができるのは、協同組合であると確信し、「持続可能な世界を拓く SDGsと協同組合」を掲げ、心新たに協会の役割を果たしていきたいと思います。
これからも、各位のこれまで以上のご指導、ご協力をお願いしながら新年の御挨拶といたします。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日