JAの活動:緊急企画:JA対話運動~コロナ禍での協同~
「No.1」の産地・JAめざして JA鹿児島きもつき(2)【JA対話運動】2020年9月18日
JA鹿児島きもつきは、「JAの自己改革に関する組合員調査」で営農関係の改善度の評価が高い。同JAは、職員一人ひとりのやる気を引き出し、組合員と一体となったチーム力(チームきもつき)で、営農関係だけでなく、さまざまな事業を展開。それが平成29年の第11回和牛能力共進会宮城大会における鹿児島黒牛のチャンピオン獲得に大きく貢献した。チーム力は他の事業分野にもおよびJAの指導力への信頼が高まっている
スマート農業対策チームのGSトラクター走行実験
コロナ収束願い 折り鶴10万羽
特に総代会の盛り上げでは、会場で農産物の展示や、地元食材の「きもつき丸ごと弁当」を配ったり、全国和牛能力共進会では、職員が万羽鶴を折ったり、支援金づくりのためのポロシャツの販売も行った。この万羽鶴の制作は形を変え、今年の7~8月、組合員に呼びかけ、新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を祈願する折鶴づくりの運動に繋がった。下小野田寛組合長は「とにかく収束に向け、何か行動したいという想いで始めました。私たちにできることは限りがあるが、一人ひとりの意識を上げ、感染拡大を抑えることはできると考え、当初5万羽の目標で取り組みました。おかげさまでたくさんの方々の協力を得て、10万羽に迫る勢いです」と、組合員の心を一つにすることの意義を強調する。こうした取り組みが、組合員とJA役職員の気持ちを一つにする「チームきもつき」のチーム力づくりにつながっている。
コロナ禍対策では、特に牛肉消費拡大が必要だということで、(1)職員向けに年度末手当の代わりとして牛肉1kgを支給、(2)5月の子牛せり市から子牛1頭につき1パック(2000円相当の牛肉)を子牛生産農家が自ら購入、(3)県下JAグループ鹿児島6000人の役職員が県下Aコープ・JA直売所で使える鹿児島黒牛・牛肉券(5000円分)を購入するなどで、牛肉消費拡大に努めた。
こうした「チームきもつき」の取り組みが、JAに対する組合員の信頼をより強くしている。下小野田組合長は、「農家組合員の資金繰り対応を含めて、農家組合員のみなさんが安心して営農に取り組み、安心・安全な暮らしができるようにJAはこれからもさまざまな対策に全力を尽くします。今回のコロナ禍のような大きな危機の時こそJAの果たす役割が大きい」という。
JAと組合員の心を一つにする「チーム力」には共通の目標が必要だ。同JAには2018年、「ネクスト10(10年構想)」を総代会で決めた。10年後の目標に肉用牛生産地日本一、肝属中央家畜市場日本一、県内系統養豚シェア50%、日本一の施設園芸地域などを掲げる。これに併せてJAの各部門が達成すべき目標や、その道筋が具体的に描かれている。
10年構想の意義について、下小野田組合長は「3か年計画などでちょっと先を見据えるのではなく、組合員といっしょに遠くを見つめたいと思い、ネクスト10を総代会に付議しました。ここには具体的な数値が入っています。現在1000億円の貯金高が10年後には2000億円の倍になる。私どもの貯金高は組合員の財産です。組合員の財産が倍になることであり、その源泉は農畜産物の販売です。ですから、現在約300億円の販売額を10年後には400億円にしたいという想いです。そのための10年間の具体的な取り組みをいろいろと掲げてあります。組合員の豊かさがJAの豊かさとなり、チームきもつきの大きな力になります」と言う。
こうしたJAの営農面での取り組みが、「JA改革に関する組合員調査」における、JAへの高い信頼につながっている。同組合長は「組合員の期待が高まってきていることは肌で感じます。昨年の総代アンケートで"これからのJAに期待する"という方々が90%を超えました。身の引き締まる思いです。チームきもつきの豊かさと幸せを目指してこれからもいろいろなことに挑戦していきたいとあらためて思います」と意欲を示す。
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