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JAの活動:【第29回JA全国大会特集】コロナ禍を乗り越えて築こう人にやさしい協同社会

【JA香川県とコープかがわ 包括連携協定】対談:木内秀一理事長×木村誠理事長 地域への思い一致 集客力の拡大にも【第29回JA全国大会特集】2021年11月18日

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2019年1月に『生活協同組合コープかがわと香川県農業協同組合との「豊かでくらしやすい地域社会づくり」に向けての包括連携協定』が締結され、思い切った共同事業が進められている。「包括連携協定」がめざしたのは何であったのか、連携事業は実際にどう進んでいるか、そして今後の展開はどうかを、JA香川県・木内秀一代表理事理事長とコープかがわ・木村誠理事長のインタビューを交えて探った。(聞き手=村田武・九州大学名誉教授、椿真一・愛媛大学農学部准教授)

JA香川県理事長 木内秀一氏JA香川県理事長 木内秀一氏

――「包括連携協定」は、「豊かで暮らしやすい地域社会づくり」に貢献することを目的にするとされています。香川県は私どもの奥深い農山村を抱えた愛媛県に比べれば、ずっと豊かで暮らしやすい県だとみているのですが。

木内 いえいえ、そんなことはありません。香川県でも高齢化・過疎化地域が広がっており、買い物難民化する高齢住民が増えてきました。それがまた農協の支店や生協の店舗の経営を苦しくし、支店統合・店舗閉鎖のやむなきにいたっているのです。

木村 たまたまコープかがわの取引先との協議会「かがわ虹の会」の会長をJAの遠城昌宏副理事長(2019年の包括協定締結時はJA香川県代表理事理事長)に、引き受けてもらっていました。双方が全県1本の協同組合ですから、風通しは大変良かったのです。そして、2017年秋に両協同組合の事業連携の話が持ち上がりました。というのは、JA直売所「讃さん広場」(丸亀市)のエリアにあったコープの店舗が借地契約の継続が困難で閉店を迫られていたからです。

木内 JAも同じような問題を抱えていました。「讃さん広場」がオープンして1年たっても利用者が思うようには増えませんでした。それを打開するには、「安全・安心のコープ」といっしょに「にぎわいの場」をつくるのがベストではないかということになりました。

こうしてJAとコープの事業連携はどうかと、コープ木村理事長と相談のうえ、2018年1月に協定に向けた検討組織を立ち上げ、1年で包括協定の締結にこぎつけたのです。

コープかがわ理事長 木村誠氏コープかがわ理事長 木村誠氏

――コープ太田店の高橋店長と「JA産直市」の六車所長に話を聞くことができました。これまでの連携事業は成果を上げていますね。さらに今後の連携事業についてどう考えておられますか。

木内 JA香川県は2000年の合併後、組合員目線で事業の見直し、とくに生活事業の見直しを行ってきました。その結果、生活事業としてはガソリンスタンド(SS)、葬祭、自動車関係以外、たとえばふとんや宝石の販売はすべて廃止してきました。

ところが組合員の高齢化にともなって、新たな生活商品の需要が高まったのです。そうした組合員の要求に農協が自己完結で応えるのはむずかしい、安全・安心の生活事業を展開している生協が横に居てくれているではないか。生協と提携して組合員の期待に応えたらよいではないかということになったのです。

これまでに実現した生協との連携事業は、農協直売所、コープ店舗ともに集客をアップさせており、農協、生協ともに組合員の支持を得ていると思います。

木村 生協としても、これまでの連携事業は組合員にしっかり評価してもらっていると考えます。これからの展開として、生協の現在14店ある店舗を増やすのではなく、「ココステーションみき」のように共同購入商品受け取りと物販店舗を併設する方式を拡大したいですね。

木内 農協は現在28店舗ある直売所の集約化をめざしています。ということは、生協の大型店舗にJA農産物直売所をインショップ展開する「JA産直市コープ太田店」型の連携を拡大したいと考えています。生協のココステーションの展開とうまくすみ分けできると思います。

問題は、JAが金融店舗の統合を迫られるなかで、中山間地の住民、とくに高齢者の生活のよりどころが失われかねないということです。そこで、新たな取り組みを開始しました。県最東南端の東かがわ市山間部の福栄地区に、地区住民が集まれる拠点「よりそいプラザ」をこの4月に開設しました。ATMを設置し、2人の職員を配置しています。

9月はこの「よりそいプラザ」に生協のココステーションを開設してもらいました。そこでは生協の班活動に学んで、「お茶飲み会」などで地域の組合員の交流拠点にしたいと思っています。常設の店舗ですから、広く住民の皆さんにも生活拠点として利用してもらえるものと期待しています。この「よりそいプラザ」を県下の農山村全域に増やしていきたいと考えています。

木村 JAの「よりそいプラザ」という小さな暮らしの拠点づくりに大いに賛成です。いま協同組合に求められているのは、高齢化社会のなかでの「お一人様」を孤立させないということでしょう。生協は職員と組合員のつながりを強める相談活動に力を入れてきましたが、生協だけでは追いつきません。「よりそいプラザ」のような小さな拠点・相談できる場所を小学校区域に一つずつ作っていくことを進めたいですね。

木内 JAは農業協同組合=農業団体ですから農業を核にして地域活性化に貢献するのは当然です。ところが現代日本の高齢化社会化・格差社会化にどう立ち向かうかとなれば、「地域の組合員が笑顔になれるような活動」、すなわち、農業団体であるとともに、地域協同組合としての性格をもっと強めていくことが求められているということです。

生協と包括連携協定を結んだのも、そうした考えがあってのことです。協定の第2条には「本協定の趣旨に賛同する他の協同組合組織等の参画促進」も連携協力事項とされています。「豊かで暮らしやすい地域社会づくり」には、県内のあらゆる協同組合が力を合わせる時代が来ているのだと考えます。

【取材を終えて】
JAと生協が産直事業で連携する事例はすでに長い歴史をもっている。JA香川県とコープかがわの連携は産直事業のレベルを大きく凌駕(りょうが)する。ともに全県1本の農協と生協であることもよかったのであろう、「包括連携協定」を結んで着々と連携事業を進め、「豊かで暮らしやすい地域社会づくり」を実践していることを両組合のトップの対談でお聞きすることができた。
ところで、労働者協同組合法が来年10月には施行される。農山村に配置する「よりそいプラザ」は、地域住民が利用者であるだけでなく、出資して運営に参加する「労働者協同組合よりそいプラザ」として開設してはいかがであろうか。コロナ禍のなかでの両理事長の対談の設定や「JA産直市コープ太田店」への訪問などについては、JA香川県企画広報課の三島和敏課長にご苦労をおかけした。

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特集:コロナ禍を乗り越えて 築こう人に優しい協同社会

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