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JAの活動:【農業協同組合研究会】どうなる どうする基本法改正

【農業協同組合研究会 報告①】4つの基本理念を柱に 国民一人一人の食料安保の確立を 農水省総括審議官 杉中淳氏2023年9月5日

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農水省は、食料・農業・農村基本法の検証・見直しについては、国民的な議論が大事だとの認識に基づき、昨年9月から合計16回の検討会を実施し、中間とりまとめを行った。そして、新たな基本理念として4つの柱を提起した。①国民一人一人の食料安全保障の確立②環境等に配慮した持続可能な農業・食料産業への転換③食料の安定供給を担う生産性の高い農業経営の育成・確保④農村への移住・関係人口の増加、地域コミュニティの維持、農村インフラの機能確保、がそれである。その具体化のために食料・農業・農村、および環境に関する基本的施策を検討しており、食料安全保障に関して杉中総括審議官は「食料安全保障の定義を見直し、国民一人一人に食料を届けるための食料システムの構築」をめざすと語り、不測時の食料安全保障についてはすでに着手していると語った。

農林水産省総括審議官 杉中淳氏農林水産省総括審議官 杉中淳氏

食料・農業・農村基本法の検証・見直しについて

1999年に制定された現行の食料・農業・農村基本法は、①WTO体制の下で自由貿易体制が世界中に拡大する、②ベルリンの壁崩壊により国家安全保障の問題がなくなった、③日本の1人あたりGDPは世界一であり、食料はいつでも輸入できる、という前提で設計されていた。しかし、これらの前提がすべて崩れ、新たな基本法では、国民の視点に立って、食料安全保障を、不測時に限らず、「国民一人一人が活動的かつ健康的な活動を行うために十分な食料を、将来にわたり入手可能な状態」と定義し、平時から食料安全保障の達成を図る必要があるとした。

日本の経済的地位の低下による輸入リスクの増大

1998年当時、日本は世界1位の農林水産物の純輸入国であり、プライスメーカー的な地位であったが、近年はその地位が低下しており、中国が最大の純輸入国となっている。20年前の日本はお金持ちだったので、食料自給率は低くとも諸外国から農産物を購入できたが、近年、中国が輸入を増やす中、安定的な輸入と国産農産物の生産拡大が課題となっている。一方、世界人口は、1999年の約60億人から2022年には80億人を突破。2050年には97億人まで増加する見通し。異常気象が頻発し、生産が不安定化する中で、2008年以降、いずれの品目も国際価格の変動(階差)が大きくなっている。さらに、ウクライナ侵略の影響、新興国の発展も著しく、日本は買い負けする事態が発生しており、「何時でも、欲しい量で、安価に輸入できる環境ではない」。

食料安全保障と日本における食品アクセスの問題

食料安全保障(フードセキュリティ)に関する国際的な議論では、1996年11月にローマで開催されたFAO食料サミットにおいて、「すべての人が、いかなる時にも、活動的で健康的な生活に必要な食生活上のニーズと嗜好を満たすために、十分で安全かつ栄養ある食料を、物理的にも社会的にも経済的にも入手可能」と定義された。しかし、農産物流通を担う運送業は、長時間労働・低賃金で人手不足が深刻化。上限規制が適用される2024年4月から14.2%が輸送能力の不足で運べなくなり、農産物についてはその割合が32.5%と大きな影響が見込まれる。また、物流コストの上昇が不可避な中で、買い物困難者は増加傾向にあり、農村から都市近郊にまで広がっている。また、1世帯当たりの平均所得金額が減少し、相対的貧困者の増加が伺われる中で、日本でも国民一人一人の食料安全保障が重要になっている。

国内市場の縮小と輸出の役割

食料の消費者物価指数は、いずれの品目も、長期のデフレ下で、長らく低位に推移していたが、近年、上昇傾向で推移している。施設園芸野菜や農畜産物の生産コストが増加する一方、価格に転嫁しきれておらず、適正な価格形成のためには、農業者・農業者団体等は、適切なコスト管理の下で価格交渉を行えるような経営管理が必要である。一方、消費者や流通・小売等の事業者に生産にかかるコストが認識されることも不可欠である。川上インフレ・川下デフレからの脱却には、それぞれの価格交渉力が必要であるが、価格引き上げが実現されないと農業は持続的な産業にはならない。日本の農産物・食品の輸出はこれまで停滞し、拡大し続ける世界の食料需要を取り込めていない。2030年までに国内生産額約50兆円の10%を海外市場へ販売することで、5兆円目標を達成し、国内の農林水産業の活性化を図る。

農業者の減少とスマート農業

基幹的農業従事者は現在の123万人から20年後には30万人程度まで減少する見込み。農業法人を中心とした大規模な農業経営が増加しているが、法人の財務状況は悪い。スマート農業を導入することで労働時間の削減や収量増大等、生産性向上が不可欠だが、導入コスト(機械・施設費)等が利益を圧迫し、赤字になっている事例も確認されている。スマート農業を推進するうえで、導入コストを低減していくことが必須であり、農業支援サービス事業体へのアウトソーシング(作業委託)を推進する必要がある。

持続可能な農業・食品産業に向けた国際的な議論

農業の多面的機能は、今の基本法を支える重要な基本的理念である。一方、農業と環境の関わりでは、農業は環境に負荷を加える産業でもあり、パリ協定やSDGsの採択以降、2050年カーボンニュートラルに向け、あらゆる産業で対応が進められている中、農業においても、環境負荷を低減する産業構造への転換が不可欠となっている。持続可能な農業の実現に向けて、みどりの食料システム戦略を軸として、より環境に配慮した農業を主流化させていくことが必要ではないか。さらに人権への配慮や有機農業への取組など、持続可能性の努力が求められる。

農村人口の減少、集落の縮小による農業を支える力の減退

過疎地域においては、2009年以降、「転入・転出」による「社会減」を出生・死亡による「自然減」が上回り、今後、急速に人口減少が進むと見込まれる。中山間地域を中心に9戸以下の農業集落の割合が増加しており、9戸以下になると、集落活動の実施率は急激に低下し、末端施設の保全・管理の実施に支障が生じる。農業生産を通じた食料の安定供給や多面的機能の発揮に支障が生じるおそれがある。今の基本法には書かれていないが、水田はコミュニティによって支えられている面がある。末端の農業用用排水施設等については、施設の維持管理を誰がするのかが問題となっている。また、荒廃農地の発生で鳥獣による農作物被害は中山間地域の農業の生産性を低下させ、農業・農村に深刻な影響を及ぼしている。

不測時における食料安全保障

これまでの日本は、自由経済で食料余りの時代には、不測時の事態を考えることはなかったが、日本の国際的な経済的地位の相対的低下に加え、異常気象や気候変動による食料生産の不安定化、戦争など地政学的なリスクの高まり、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大にいるロックダウンに伴う物流の途絶、BSE、豚熱、鳥インフルエンザなど、家畜疾病の発生等に伴う供給途絶など、不測の事態については、関係省庁が連携した対応を取ることが必要。リスクに応じた対応については、「現在不測時の対応の根拠となる国民生活安定緊急措置法などで十分な対応が講じられるか検討する必要がある」とまとめた。

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