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介護食品の普及めざす 農水省がとりまとめ2013年7月11日

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 2月27日から5回にわたり開催された農林水産省「これからの介護食品をめぐる論点整理の会」(以下、論点整理の会)。最終回となる第5回会合(7月9日)では、さまざまな専門家から寄せられた多様な意見をまとめた「これからの介護食品をめぐる論点」(案)(以下、「論点」)が提出された。

◆「介護食」とは何か?

 論点整理の会では、介護食品に関する事業者、介護施設関係者、医師、栄養士、ジャーナリストなど、立場の異なるさまざまな専門家が一堂に会し、「高齢者の食」の問題について、自由に意見を出し合う場だ。
 国としてこうした問題に向き合ったのは初で、それだけに「論点を絞ったうえで課題を解決するための方策を取りまとめる」のではなく、課題を出し合い、整理し、共有することが目的だとしている。
 実際、5回の会合では、文字通り多様な意見が飛び交った。介護食とは何か、咀嚼や嚥下だけの問題なのか、健康でも一人暮らしの高齢者で低栄養の問題が顕著になっている、都市部と地方では問題の質が異なる、周知の問題、交通アクセスの問題…。委員の1人で元NHKプロデューサーの増田淳子さんは「どこに着地するのか、非常に不安だった」と語っていたほどだ。
 しかし、今回まとめられた「論点」については、各委員とも「非常によくまとまっている」と評価した。


◆介護食普及で医療費削減を

 「論点」に対しては、各委員が自由な感想を寄せた。
 「これだけ医学が発展し、介護システムもあるなかで、食の問題で幸せに生ききれないのは嫌だ」(東口高志・藤田保健衛生大学医学部・外科・緩和医療学講座教授)。
 「『論点』は、規制するためのものではなく、研究開発を促すためのものになってほしい」(福島厚子・日本食糧新聞社取締役営業本部長)。
 「こうした試みが省庁横断的になされれば、日本の未来は明るい。介護食品が普及すれば、医療費削減にもつながる」(深柄和彦・東京大学医学部付属病院)。
 「食べる力は衰えても、人には食についての長い歴史がある。そうしたニーズを踏まえてものにしてほしい」(増田淳子・元NHKプロデューサー)、などだ。
 「論点」は、高齢者の食の問題を解決するためのスタート地点にすぎない。今後、いかに具体的な取り組みにつなげていくのか。注視していきたい。

 「論点」の概要は次の通り。

[1]「介護食品」の定義を明確にする
 現状では、介護食品の定義は明確ではなく、咀嚼や嚥下機能が低下した人が利用する、いわゆる「狭義」のものから、未病段階の高齢者が利用する「広義」のものまで幅広い。そのため、どこまでの範囲を対象とするかといった定義を明らかにすることが最優先課題。

[2]高齢者の栄養に関する理解の促進
 在宅介護を受けている高齢者のうち、6割は低栄養状態にあるとの調査結果があるが、低栄養が高齢者の身体的機能に及ぼす影響についての認知度はまだまだ低いのが現状。そこで、食事摂取量の不足がもたらす健康への弊害について、国民に周知していく取り組みが必要。

[3]介護食品の提供方法
 介護食品は高齢者の天寿を支え、最後まで口から食べて飲み込むことができる食品として、見て「おいしそう」と感じられる、食べる楽しみを提供できるものであることが重要。製造・流通などの供給サイドは、こうしたニーズに応えていくことが必要。また、今後、食事の提供に関する支援が必要な高齢者が増加することを考慮すると、コストが安く栄養面でも優れた「配食サービス」が不可欠となる。

[4]介護食品の普及
 介護食品の認知度を向上させるため、定義を明確にしたうえで、広く国民に普及するとともに、介護食品に対する抵抗感を払拭するためのネーミングの工夫なども必要。

[5]介護食品の普及に向けた社会システムの構築
 とくに在宅介護における利用者ニーズを把握するために、介護食品の製造・流通の事業者、医師、歯科医師、看護師、ホームヘルパー、ケアマネージャー、管理栄養士、地方自治体が連携し、情報を共有する場を作っていくことが重要。そのための社会的なシステムを国が作っていくことが必要。また、介護保険など公的サービスの位置づけについても検討すべき。


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