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2013.09.13 
人・農地プランの法制化に異論 規制改革会議一覧へ

 政府の規制改革会議(議長・岡泰之住友商事相談役)が9月12日に開かれ農地中間管理機構について議論するとともに、農業をはじめ5つのワーキング・グループの検討事項を決定した。規制改革会議は次回会合を9月19日に予定しており、農地中間管理機構のあり方について同会議としての意見をとりまとめる方針だ。

◆競争力ある農業を

 農地中間管理機構については同会議は最優先事項として8月から議論を始めた。
 前回までに出された意見には、▽組織が階層的(県-市町村-地区-受託者)で機能が重複(理事会-運営委員会、運営委員会-地区)。問題解決に時間がかかる。責任の所在も不明確▽現状の人・農地プランに重きを置いた仕組みは地元偏重過ぎる▽貸付先の選定にあたっては希望者の公募の実施を必須とすべきではないか▽既存の農地保有合理化法人の体制を追認するのではなく、経営に精通した人の役員登用など、新たな組織にふさわしい体制を検討すべき、などがある。
 この日の会合でも農水省が出席し議論した。岡議長は「この構想のベースになっている政策目標は、競争力のある、魅力のある、成長産業化できる農業をつくるということ。この政策目標を効果的に実現できるものにしていく必要がある」と強調し、農水省の法案策定作業には「規制改革会議の指摘がかなりとりあげられつつあると認識している」と話した。

◆新規参入を阻害?

 ただ、この日も多くの委員から出されたのが「人・農地プラン」の法制化への異論。農水省は農地中間管理機構とともに同プランも法制化することをめざしている。これは地域農業の中心的な担い手を地域の話し合いと合意で決めるもの。JAグループの地域営農ビジョンづくりとも連動する。
 農水省は地域での話し合いなど妥当なプロセスを経て中心的な担い手が特定されていくことが大事との考え方で、法制化することによって、地域自らが将来像を描く運動として全国に展開、定着させる狙いがある。
 これに対して規制改革会議では「法制化するのはいかがなものか」との意見が複数の委員から出された。その理由について岡議長は「特定の方々が集まって議論して何かを決めてしまう。これを法制化することで新規参入者が入りづらくなるのではないかとの懸念を抱いているという意見だった」と話す。これに対して農水省はそうした懸念を払しょくするように検討することを明らかにしたという。
 また、運営委員会については構成員だけでなく、その設置の是非も含めて意見があった。 農水省は農地中間管理機構の公正で適正な運営を確保するため、運営委員会を設置する方針で、重要事項は同委員会の議決を経ることが必要との案を示している。委員は、認定農業者や人・農地プランで位置づけられた中心経営体、学識経験者のほか、農業委員会、JAなども想定されている。
 この運営委員会に対して▽農地法の許可をなくし農地貸借の手続きを簡素化するのなら、運営委員会に農業委員会の代表が入り権限を持つことをやめてはどうか▽特別利害関係人は議決権を持たない仕組みとすべきではないかなどの意見が出ていた。この日の会合でも運営委員会のあり方について意見が出て、農水省は運営委員会の設置要件や構成メンバーについて再検討する方針を示した。
 岡議長は、9月19日の次回会合で規制改革会議としての「意見」をとりまとめる意向を示した。意見に盛り込む考え方として「国、都道府県、中間管理機構、市町村それぞれの権限と責任を明確にし政策目標を実現するための戦略を共有することが必要だ」と述べた。 会合では10日に農業WGが決めた検討事項を了承した。農業委員会や農協のあり方も検討事項になっている。

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