西鉄、農業支援で新事業 JA柳川と連携2014年5月20日
西日本鉄道(福岡市)は、鉄道沿線の活性化と地域貢献をめざした農業支援事業「縁線PROJECT」を始める。5月19日、都内で会見を開いた。
◆沿線活性化ねらい
同社は、福岡の中心地である天神を起点とした100km超の鉄道路線や国内最大規模のバス事業といった運輸業のほか、不動産、物流などさまざまな事業を手掛ける。
主力事業の一つである鉄道・バス事業では、近年、ローカルエリアでの輸送人員が減少している。「縁線PROJECT」は、農業・農村を中心とした沿線地域の活性化を図り、鉄道・バス利用者の減少に歯止めをかけようというのが狙い。
同社は、地域の生産者と加工業者とのマッチングや新商品の企画提案を行うとともに、出来上がった商品を同社の物流ネットワークを活用して国内外へ販売する。同社は、新たな収益源を開拓しようと国際物流ビジネスの拡大に取り組んでおり、海外24カ国に計92の拠点施設を持つ(2013年度末現在)。また、14年6月に名古屋へ雑貨店、15年にはソウル(韓国)へホテルを出店するなど、国内外で事業エリアの拡大もすすめており、プロジェクトで開発した新商品は、こうした拠点を通じて広く販売していく考えだ。
倉富純男社長(=写真左上)は会見で、「地域とともに歩み、発展する、という当社の理念を実現するのがこのプロジェクト。1つひとつの商品は小規模かもしれないが、6次産業を福岡に根付かせたい」とプロジェクトのねらいを紹介した。
◆連携の価値「計り知れない」JA柳川
すでに第1弾商品として、JA柳川産のイチゴ「あまおう」を使った「あまおうプレミアムスパークリングワイン」(=写真右)を開発。2500本の限定販売で、6月から三越福岡店、福岡空港内の売店、関東・関西・東海のスーパー成城石井81店舗で販売する。
同プロジェクトについて、JA柳川の成清法作組合長は「地元の企業と連携することにより、JA独自では実現できないことが実現できた。(同社との連携は)商品の完成度、職員のスキルアップなど価値は計り知れない。今後も農産物の良さと食の大切さをともにつたえていきたい」とのメッセージを寄せている。
地元JAとの連携について同社は、「JAの力は、地域で農産物を安定的にしっかりまとめてくれる」とコメントした。
プロジェクトでは、15年にも地元産果実をつかた新商品の投入を予定しており、今後も商品展開を増やしていく考えだ。
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