農林水産祭天皇杯を決定-11月23日に表彰2016年10月20日
農林水産祭中央審査委員会(千賀祐太郎会長)が10月19日に開催され、28年度(第55回)農林水産祭の天皇杯の受賞者を決定した。表彰は勤労感謝の日の11月23日に明治神宮会館で開催する農林水産祭式典で行われる。
受賞者は過去1年間の農林水産祭参加表彰行事で農林水産大臣賞を受賞した509点から決定した。
【天皇杯】
(農産部門)
愛知県弥富市・有限会社鍋八農産(代表:八木輝治)=経営は水稲・小麦・大豆。作業管理解決のためICT管理ツール「豊作計画」をトヨタ自動車と共同で開発。1日の作業計画をクラウドサービスで従業員に割り振る。加工品製造直売所では餅、赤飯、米粉ピザなど多彩な商品販売で経営多角化も図っている。
(園芸部門)
長崎県佐世保市・ながさき西海農協させぼ地区かんきつ部会(代表:古川公彦)=部会員284名。うんしゅうみかんの販売額27億円。糖度基準による「味っ子」など高糖度みかんをブランド化。園地ごとに登録を行い、統一した栽培管理で果実分析の審査に合格した園地のみかんだけをブランドとして出荷できる「園地登録園制度」を構築した。
(畜産部門)
沖縄県石垣市・農業生産法人有限会社伊盛牧場(代表:伊盛米俊)=台風襲来が多い島では畜産が適すると考え和牛一頭から経営を始めた。生乳不足から酪農に転換。牛舎は日射や通風に配慮し送風機や噴霧装置などで暑熱対策。牧草地にローズグラスを栽培し年6回の刈り取り。多彩なジェラートを商品化。女性従業員12名を雇用。地域社会と結びついた経営を実現。
(養蚕・地域特産部門)
熊本県八代郡氷川町・早川猛・早川克美=いぐさ栽培・畳表加工と水稲(もち米)栽培。高品質のいぐさを生産するため水稲を輪作体系に組み込み連作障害を予防している。畳表を原草選別に用いる色彩選別機をいち早く導入。「ロール型傷防止板」を考案、実用化し、乾燥機の反射板を共同開発するなど機械の積極的利用と改良を進めた。
(林産部門)
鳥取県八頭郡八頭町・八頭中央森林組合(代表:前田幸己)=集約化による効率的な事業を展開。集落座談会を年間130回以上重ねて集約化の必要性を訴えてきた。その結果、森林経営計画は27年度末に累計118団地、約1.1万haに上り、そのすべての面積を経営受託している。
I・Uターンを含めた職員の採用を進め平成19年に29名だった職員数は27年に73名に。成果主義取り入れ職員を育成している。
(水産部門)
宮城県気仙沼市・唐桑町浅海漁業協議会青年部(代表:小野寺芳浩)=「総合的な学習の時間」を活用してカキ養殖に関する学習を支援。唐桑のカキ養殖のサイクルである3年に合わせて4~6年生の3学年にわたる学習期間を設定。漁場の一部を活用した小学校専用のいかだを設置。生産現場から販売までを体験しカキ養殖業を生業として学ぶ。
(むらづくり部門)
愛媛県西予市・地域協同組合無茶々園(代表・宇都宮俊文)=柑橘の有機栽培からスタート。農事組合法人へ移行し、販売を担う株式会社、大規模有機農業を実践し直営農場を運営する有限会社ファーマーズユニオン北条を設立。福祉事業に参入するため「株式会社百笑一輝」を設置。これら4法人をまとめる任意組織「地域協同組合無茶々園」が事務局機能を持つ。介護や配食サービス、生きがい農業支援など農業生産と生活支援、環境保全など条件不利地域のむらづくりのモデルとして期待されている。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日