漁業権も議論へ-規制改革農業WG2017年5月11日
林業・水産業も検討
政府の規制改革推進会議の農業ワーキンググループ(WG)は5月10日に会合を開き、森林・林業と水産分野の政策について農林水産省からヒアリングを行い、漁業権も含めて規制改革について検討を始めた。規制改革推進会議が6月の答申に漁業権のあり方などの意見が盛り込まれる可能性がある。
山本幸三規制改革担当大臣は「林業と水産業は地域経済を支えている重要な産業。地方創生の観点からも潜在力を生かすことが期待される。本日を皮切りに幅広い観点から事実を十分に把握し骨太の議論をお願いしたい」とあいさつした。
農業WGが林業と水産業について議論することについて金丸恭文座長は「農業では意欲ある若者をどう増やすか、長年維持されてきた制度をどう改革して今日の課題に対応するか見直してきた。林業・水産業も担い手不足など類似の課題もみられることから検討することとした。座長の了解も得ている」と説明した。
水産業については水産庁が水産基本計画を説明した。委員からは沿岸の漁業権が漁協を通じて管理されていることについての見直しの検討状況について質問が出た。水産庁は、現状では漁業者の漁業権を漁協に取りまとめる仕組みでなければ調整が難しいとしたが、水産基本計画で養殖業への企業参入を検討することとしており、その枠組みで検討すると答えた。
林業では、森林所有者への適切な森林管理の責務の明確化と意欲ある林業経営者に森林管理を委ねるスキーム。さらに委ねる先がない場合の市町村による森林整備の仕組みという新たな施策と、その財源としての森林環境税の創設を検討していることなどを説明した。
委員からは多くが伐採期を迎えている日本の森林をいかすためにもターゲットを明確にして成長産業化のための議論を深めなければならない、などの意見が出た。
金丸座長は「林業も水産業もいかに資源管理していくかの視点、いかに競争力を高めていくかの視点から改革を進めることが急務だ」と話し、関係法律の見直しを含めて答申に盛り込む考えも示唆した。
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