パルシステムが核兵器禁止条約の批准を政府に要請2017年7月18日
「核兵器のない世界」へ
パルシステム生協連は、7月17日に安倍首相に「核兵器禁止条約の批准を求める要請書」を提出した。
歴史上はじめて、7月7日に国連本部で開かれた核兵器禁止条約制定に向けた交渉会議で、参加129か国中、122か国の賛成多数で条約を採択した。穀兵器を違法とする条約が国連で採択されたのは初めてのことだ。
しかし、日本政府は当初から条約交渉に反対し、交渉にも不参加のまま採択にも参加しなかった。さらに採択された日に、別所浩郎国連大使が「署名しない」と明言した。
こうした動向を受け、パルシステム生協連は、7月17日に安倍首相に対して要請書を提出し、条約への批准と、唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現へ積極的な役割発揮を求めた。
要請の全文は以下の通り。
私たちパルシステムグループは、「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」を基本理念とする生活協同組合のグループです。
国連本部で開かれていた核兵器禁止条約制定へ向けた交渉会議は2017年7月7日(金)、129力国が参加するなか最終日を迎え、122か国の賛成多数で条約が採択されました。核兵器を違法とする条約が国連で採択されるのは、歴史上初めてのことです。交渉には、参加各国政府のほか、国際赤十字やNGO、広島・長崎の被爆者、世界各地の核実験の被害者などによる多くの尽力がありました。心から敬意を表するとともに採択を歓迎します。
条約は、細菌兵器や化学兵器、クラスター爆弾などの禁止条約と同様に、人道的視点から核兵器の製造や保有などを禁止しています。前文では、核兵器を「壊滅的な人道上の被害を招く」と位置づけました。また「hibakusha(ヒバクシャ)」が2か所にわたり明記され、核実験の被害者とともに「引き起こされる受け入れ難い苦痛と危害に留意する」ことが盛り込まれています。
しかし、日本政府は当初から、条約交渉に反対し、交渉も不参加のまま採決にも参加しませんでした。さらに採択された同日、別所浩郎国連大使が「署名しない」ことを明言しました。これは「唯一の戦争被爆国」として核兵器のない世界の実現のために責任を果たすと、繰り返し述べてきた行為に反します。
2016年5月、安倍首相はオバマ米大統領(当時)とともに広島を訪問した際、「核兵器のない世界を必ず実現する。その道のりがいかに長く、いかに困難なものであろうとも、絶え間なく努力を積み重ねていくことが今を生きる私たちの責任であります」と演説しました。条約への不参加は、核兵器廃絶へ向けた主体的な行動とはいえず、その言葉を反故とするものです。72年前、想像を絶するような悲惨な経験をした被爆者のみなさんに寄り添った判断といえるものでありません。
核兵器は、人類はもとより地球上に存在するすべての生命を断ち切り、環境を破壊します。
核兵器のない地球を次世代につなげていくために、パルシステムグループは、日本政府に対して、以下を要請します。
1:唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約を批准してください。
2:被爆者の声に耳を傾け、思いを受け止めるとともに、「核兵器のない世界」の実現を世界各国へ働きかけ、積極的に役割を果たしてください。
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