世界のGM作物栽培面積 日本の国土の5倍に 国際アグリバイオ事業団年次報告2019年9月6日
国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は、遺伝子組み換え(GM)作物の商業栽培に関する年次報告書「遺伝子組換え作物商業化の世界動向:2018年」を発表した。
この報告書によると、2018年のGM作物の栽培面積は、世界で1億9170万haとなり、17年より190万ha増加したという。そして、栽培または輸入を通じてGM作物を導入している国は70か国。このうち栽培している国は26か国だという。これはGM作物の商業栽培が始まった1996年の113倍になる(グラフ参照)。そのことから、バイオテクノロジーが「世界で最も急速に普及している作物テクノロジーであることがわかる」としている。
GM作物の栽培面積が多い国は、米国、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、インドで、この5か国で世界のGM作物栽培面積の91%を占めている。欧州では、スペインとポルトガルでヨーロッパアワノメイガ防除のため、GMトウモロコシが栽培されているという。
また、GMダイズは世界でもっとも導入が進んでおり、世界のGM作物総栽培面積の50%を占めている。
18年には、打撲班や褐変の低減、アグリルアミド産生低減、ジャガイモ疫病耐性の形質を併せ持つジャガイモ、害虫抵抗性と乾燥耐性を備えたサトウキビ、果肉が褐変しないリンゴ、高オレイン酸ナタネとベニバナなど、さまざまな形質をもつ多様なGM作物が「市場で利用できるようになったという。そしてインドネシアではJember大学と味の素(株)の官民パートナーシップで開発された乾燥耐性サトウキビが初めて栽培されたという。
ISAAAは、国連の「世界の食料安全保障と栄養の現状」や「2017年食糧危機に関するグローバル・レポート」を引用して、世界の「飢餓は3年連続で増加し、10年前のレベルまで後退している」。「飢餓と栄養不良は拡大を続け、48か国の約1億800万人が危機的あるいは深刻な食糧危機にある」と指摘。
そのうえで、「世界中でこれほど多くの家族の暮らしに影響している地球規模の課題に対処するためには、収量の増加、害虫への高い抵抗性、栄養価の改善といったより良い形質を備えるように開発された遺伝子組み換え作物が不可欠である」。「世界の食料安全保障を強化するためには、農業バイオテクノジーだけが重要なのではないが、様々な分野の解決ツールの中でも重要な科学的ツールであることは間違いない」とPauls.Teng 理事長は指摘している。
表は、トウモロコシ、ダイズ、ナタネ、ワタ(採油用)の4品目の日本が輸入している総量に占めるGM作物の輸入量をISAAAが推定したものだ。
これをみるとこの4品目については、90%以上がGM作物だということが分かる。
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日
-
深作農園「日本でいちばん大切にしたい会社」で「審査委員会特別賞」受賞2025年9月18日
-
果実のフードロス削減と農家支援「キリン 氷結mottainai キウイのたまご」セブン‐イレブン限定で新発売2025年9月18日
-
グローバル・インフラ・マネジメントからシリーズB資金調達 AGRIST2025年9月18日
-
利用者が講師に オンラインで「手前みそお披露目会」開催 パルシステム東京2025年9月18日