ニワトリの筋形成に重要な遺伝子群を同定 信州大学のグループ2019年11月22日
信州大学学術研究院(農学系)高谷智英助教らのグループは、東京農業大学生物資源ゲノム解析センターとの共同研究で、ニワトリの筋肉の形成に重要な役割を果たす遺伝子群を同定した。
ニワトリの筋肉は、鶏肉として身近な食材。世界的な人口の増加に伴い、鶏肉の消費量は増加し続けており、さらなる生産効率の改善が求められる。この研究成果は、肉用鶏の育種や飼養に重要な知見をもたらすと考えられる。
筋肉は、筋芽細胞と呼ばれる筋前駆細胞の増殖と分化によって形成される。したがって、この筋芽細胞の性質を理解することは、肉用鶏の育種や飼養にとって極めて重要である。
研究グループは、肉用鶏と卵用鶏の筋芽細胞で発現する全ての遺伝子を解析し、ニワトリ筋芽細胞の増殖・分化の過程で特徴的に発現する複数の遺伝子(遺伝子群)を同定した。
この遺伝子群には、オピオイドペプチド※であるエンケファリンを発現する遺伝子が含まれており、実際に、エンケファリンには筋芽細胞の増殖を抑制する作用があることを確認した。
オピオイドペプチドは様々な食品素材にも存在することから、飼料に含まれるオピオイドペプチドが家畜の筋形成に影響を及ぼしている可能性が考えられる。
今後、この研究で同定した遺伝子群をさらに解析することで、肉用鶏の品種改良に有用な遺伝子マーカーの開発や、飼料の機能性を高める分子の同定につながることが期待される。
(※)オピオイドペプチドとは、元々は、脳に作用して情動や痛覚を制御するペプチド(短いアミノ酸配列)として発見された。エンケファリンの他に、脳内麻薬として知られるエンドルフィンなどが知られている。
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