雨台風が森林倒壊リスクを増大 北大准教授らのグループが解明2020年9月24日
北海道大学大学院農学研究院の森本淳子准教授らのグループは、雨台風による森林倒壊のメカニズムに迫る研究成果を発表した。大雨が台風による森林倒壊リスクを増大させることなどを解明したとしている。
2016年8月に北海道に上陸した台風による森林倒壊
森本准教授以外のメンバーは、人間文化研究機構総合地球環境学研究所の饗庭正寛特任教授、京都大学防災研究所の竹見哲也准教授、大阪大学大学院工学研究科の松井孝典助教。
研究の背景は、気候変動の影響で台風による大雨増加が予想されるなか、強風と大雨による森林倒壊メカニズムについては依然手付かずだったことがある。将来の林業被害やインフラ破壊を最小限に抑えるため、雨台風の特徴を解明し、森林管理に最もふさわしい手法を見つけ出すのが目的。
2016年に北海道に上陸後、道南325平方キロメートルの森林を倒壊した3つの台風が研究材料で、衛星画像を用いながら倒壊に関係しそうな気象や地形、森林の変数17個を使って全域で計算したもの。シミュレーションで再現した台風の進路や風速などをもとに、森林倒壊が発生しやすい場所を予測可能なモデルを構築した。
結果、尾根筋の森林や斜面方位の同じ方角(正面)から強風を受けた森林は風当たりが強いため、降雨量が多いほど倒壊しやすくなる一方、その感度は量的に勝る優占樹種によって異なるとした。
そのうえで、感度が高い樹種は低い樹種に比べ主根から枝分かれして生ずる枝根(えだね)の密度が低い傾向があり、倒壊メカニズムと深く関連している可能性がある推測。尾根筋への造林を避け、側根密度の高い樹種で造林することが雨台風に対する森林管理上の適応策だと述べている。
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