コギクのアブラムシ類発生で注意喚起 沖縄県2020年11月4日
沖縄県病害虫防除技術センターは、年末出荷用のコギクにアブラムシ類の多発生を確認し、10月30日に病害虫発生予察注意報第9号を発表した。
沖縄本島における10月のほ場調査の結果、アブラムシ類の茎当たり成幼虫数は0.45頭/茎(平年:0.0 頭/葉)、発生ほ場率は87.5%(平年:19.9%)となり、平年と比べ多発生していることが分かった。
「今期と平年の発生推移」、「 発生ほ場率の推移」
コギクにはキクヒメヒゲナガアブラムシやタイワンヒゲナガアブラムシ、ワタアブラムシなどが寄生し、有翅形と無翅形がある。キクヒメヒゲナガアブラムシの成虫は体長1.8~2.6mm、体色は光沢のある暗赤褐色、または赤色をおびる黒褐色で発生初期は葉裏に寄生することも多く、多発すると新芽や葉裏に群生する。
タイワンヒゲナガアブラムシの無翅雌虫は体長3~3.5mm、体は暗赤褐色で腹部は黒褐色で光沢がある。有翅雌虫は体長約3mmで頭部と胸部は黒色、触覚は体長よりはるかに長く、腹部側面に円形の斑紋がみられる。茎の上部に多く発生し、葉の裏に寄生することもある。
ワタアブラムシは黒、黄、緑など体色に変化が多く、同じコロニーであってもいくつかの体色の個体が混じり合っていることも多いとしている。
アブラムシ類は年中発生するが、キクヒメヒゲナガアブラムシはヨモギ、ヨメナなど、タイワンヒゲナガアブラムシはノゲシ、アキノノゲシ、オニノゲシ、ニガナ、レタスなど、ワタアブラムシは野菜、花き、果樹類など多数の雑草や植物に寄生する。発生時期は特に10月~翌年4月にかけて多発し、生育を著しく阻害するため発生初期の防除に重点を置くよう注意を呼びかけている。
防除方法では粒剤の施用を推奨しており、ほ場を丹念に見回り、新葉部を中心に発生が認められた場合は薬剤散布を行う。また、同一薬剤の連続使用は薬剤の抵抗性を発達させやすいため、ローテーション散布を行うよう呼びかけている。
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