オールジャパンで農産物輸出拡大を-山崎全農理事長が政府の閣僚会議に出席2020年11月21日
JA全農の山崎周二理事長は11月20日に開かれた政府の農産物輸出に関する関係閣僚会議に出席し、JA全農グループの輸出拡大の取り組みについて菅首相らに話し、輸出拡大は全国の産地が連携してジャパンブランドを確立するとともに、日本の食品、物流企業などさまざまな関係者が提携するなど「オールジャパン」として取り組む必要があるなどと強調した。
政府は年末に輸出拡大実行戦略をまとめることにしており、20日の関係閣僚会議では農水省がその骨子を示すとともに、事業者からヒアリングを行った。
政府は年末に輸出拡大実行戦略をまとめることにしており、20日の関係閣僚会議では農水省がその骨子を示すとともに、事業者からヒアリングを行った。山崎理事長は、JA全農グループのこれまでの輸出の取り組みついて、米国での和牛処理施設の設置や香港での和牛レストランの展開、ハラル和牛の中東への輸出、海外展開するスシローへの原料米の販売などの取り組みを紹介するとともに、11月からは香港で日本の米と卵を使用したビジネスランチの販売を始めたことなどを紹介、「バイヤーに丸投げすることなく1つ1つ手づくりで取り組んできた」と話した。 そのうえで「しかし、私たちだけではスピード感に課題があり、また、農業団体はどうしてもプロダクトアウトの発想になりがち」とし、最近ではドンキホーテやサントリーと協業を進めるなど、他業界との連携で輸出拡大に力を入れていく方針を示した。サントリーとは12月上旬にJA余市産のリンゴを使用した贈答用の100%ジュースを中国でEコマース販売する予定となっている。
こうした協業を通じて「売り方、売り場づくりから一貫したサプライチェーンの構築などを学んだ」と山崎理事長は話し「目標を立てて農業生産に資する輸出拡大に取り組んでいきたい。海外進出している食品メーカー、小売、外食チェーンなど日本の食に関わる関係者で、オールジャパンとして取り組み、そのなかで農業団体として産地間競争ではなくジャパンブランドの構築を果たしていきたいと思っている」と強調した。そのために政府には各国の輸入規制の緩和や、生産対策支援、知財権の保護などの支援を求めた。
菅総理は会議の最後に発言、「農産品の輸出拡大によって地方の所得を引き上げることは、成長戦略、地方創生の重点として、積極的に取り組んできた。その結果として、政権交代当時、4500億円だったが昨年は9000億円と倍増した。今年の農産品の輸出額は、新型コロナウイルスの影響が出ていたが10月の貿易統計では食料品が対前年比21.5パーセント増加するなど、回復している」と話し「今日は、輸出を推進している高島さん(オイシックス・ラ・大地社長)、山崎さんお2人の事業者の方々から直面する課題について話を伺った。1つひとつスピーディに解決する必要性というものを感じている。今後、まず、我が国の強みをいかして輸出の拡大ができる輸出重点品目を選定し、さらには品目ごとのターゲット国を特定し、重点品目ごとに、ターゲット国ごとの輸出目標を設定するとともに、その実現のための手段を明確化する必要がある。さらに、そうした重要品目ごとに関係事業者を包括する団体を組織化し、その団体が主体となって行う、国ごとの販売戦略、官民がしっかりサポートする必要があると思う」と今後の方針を述べた。
※山崎周二理事長の「崎」の字は本来異体字です。
重要な記事
最新の記事
-
【第46回農協人文化賞】地域包括医療を推進 厚生事業部門部門・長野県厚生連佐久総合病院名誉院長 夏川周介氏2025年7月15日
-
【特殊報】ナシにフタモンマダラメイガ 県内で初めて確認 島根県2025年7月15日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 島根県内全域で多発のおそれ2025年7月15日
-
【注意報】野菜類、花き類、ダイズにオオタバコガ 滋賀県内全域で多発のおそれ2025年7月15日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 栃木県全域で多発のおそれ2025年7月15日
-
米価 7週連続で低下 5kg3602円2025年7月15日
-
農業法人 米販売先 農協系統がメインは23% 日本農業法人協会2025年7月15日
-
2025年産米 前年比56万t増の見込み 意向調査概要2025年7月15日
-
テキサス洪水被害は対岸の火事か 公務員削減が安全・安心を脅かす 農林水産行政にも影響2025年7月15日
-
コメ増産政策に転換で加工用米制度も見直しが急務【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月15日
-
青森米パックご飯ご愛顧感謝キャンペーン 抽選で200人にQUOカード JA全農あおもり2025年7月15日
-
農機担当者向け「コンプライアンス研修会」を初開催 JA全農やまなし2025年7月15日
-
農機フェア2025を開催 2日間で5309人が来場 富山県JAグループ2025年7月15日
-
GREEN×EXPO2027 特別仕様ナンバープレート交付記念セレモニー開く 横浜市2025年7月15日
-
「幻の卵屋さん」アリオ北砂で5年ぶり出店 日本たまごかけごはん研究所2025年7月15日
-
子ども向け農業体験プログラム「KUBOTA AGRI FRONTの夏休み2025」開催 クボタ2025年7月15日
-
香春町と包括連携協定締結 東洋ライス2025年7月15日
-
官民連携 南相馬市みらい農業学校生へ農業経営相談機能等を提供 AgriweB2025年7月15日
-
鳥インフル 米ワシントン州などからの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年7月15日
-
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年7月15日