県内初のネギハモグリバエ(別系統)が発生 鹿児島県2020年12月11日
鹿児島県病害虫防除所は、薩摩川内市と伊佐市のネギでネギハモグリバエ(別系統)の発生を確認し、12月9日に特殊報第3号を発表した。
葉の白化状況7月上旬、薩摩川内市の露地栽培根深ネギで、ハモグリバエ類により葉全体が白化する被害が認められた。従来のネギハモグリバエ被害とは異なり、1葉に無数の食害痕(潜行痕)とその上部が枯死しており、食害痕の周辺には白色の産卵痕が多数認められた。
農研機構野菜花き研究部門 野菜病害虫・機能解析研究領域虫害ユニットに同定を依頼した結果、遺伝子解析で従来から発生しているネギハモグリバエの系統(以下系A統)と異なる別系統(以下B系統)と同定された。
潜行痕内の幼虫鹿児島県病害虫防除所は南さつま市、南九州市、伊佐市、鹿屋市の根深ネギを対象としたほ場調査及び同県各地域振興局に聞き取り調査を実施。その結果、11月18日現在で薩摩川内市に続き、伊佐市の根深ネギほ場でもこの種の被害が確認された。
成虫の体長は約2mm、胸部と腹部は黒く、その他の部分は淡褐色をしている。幼虫は淡黄色のうじ虫状で、成長すると体長約4mmに成長し、蛹は体長約3mmの褐色俵状をしている。A系統とB系統を形態で識別することは困難とされている。
ネギハモグリバエ成虫(京都府病害虫防除所原図)寄主植物は、A系統はネギの他、タマネギ、ニラ等のユリ科ネギ属植物を加害するが、現在のところB系統はネギのみで確認されている。
被害はA系統と同様に、食害痕は不規則な白線状となるが、A系統と比較して1葉あたりに多くの幼虫が寄生し、食害することから多数の白色食害痕で葉の白化症状を呈する。
その形態はA系統と同じで、成虫は葉の組織内に産卵し、孵化幼虫は葉の内部を潜行して葉肉を食害する。成長した幼虫は葉から脱出し、地表または土中で蛹化する。
国内でのB系統の発生は、平成28年に京都府で初めて確認され、以降は平成31年(令和元年)に京都府、茨城県、富山県、千葉県、長野県、埼玉県、新潟県、栃木県、三重県、滋賀県、大阪府、愛知県で発生。令和2年は東京都、佐賀県、岐阜県、鳥取県、兵庫県、岩手県、秋田県、福島県の計20都府県で特殊報が発出されている。 防除対策では発生を確認した場合、系統にかかわらずネギハモグリバエまたはハモグリバエ類に適用のある登録薬剤で初期防除を行い、作用性の異なる薬剤とのローテーション散布に努める。
この虫の寄生した被害葉や収穫残渣をほ場に残すと、次の作型や周辺作物への発生源となるため、地上部に残らないよう処分を徹底よう注意を呼びかけている。
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