イチゴにチバクロバネキノコバエを初確認 福島県2021年1月15日
福島県病害虫防除所は、施設イチゴほ場でチバクロバネキノコバエ(Bradysia impatiens Johannsen)の発生を県内で初めて確認し、1月14日に特殊報第3号を発令した。
チバクロバネキノコバエ成虫(左:メス、右:オス)12月にいわき市の施設イチゴほ場(高設栽培)で、株の萎れや下葉の青枯症状等の生育不良株が局所的にみられ、クラウン部の褐変とクラウン部を加害しているハエ目幼虫が確認された。被害株から幼虫を採取し、羽化した成虫を横浜植物防疫所に同定を依頼した結果、同県のイチゴで未確認だったチバクロバネキノコバエと判明した。
チバクロバネキノコバエによるイチゴへの被害はこれまで三重県、長野県、長崎県、佐賀県、茨城県、鹿児島県の6県で報告されている。
この種はハエ目クロバネキノコバエ科の昆虫で、体長は雌成虫で1.9~2.3mm、雄成虫は1.8~2.1mm。頭部は黒色、胸部と腹部は暗褐色、翅は褐色を帯びた透明。老齢幼虫の体長は約4mm、体は白色を帯びた透明で頭部は光沢のある黒色をしている。
なお、従来チビクロバネキノコバエ(B.agrestis)およびチバクロバネキノコバエ(B.difformis)とされていたものは、最近の分類学的研究でBradysia impatiens Johannsen(和名:チバクロバネキノコバエ)に整理された。
成虫は未熟な堆肥等の有機物に誘引され産卵する。孵化した幼虫はこれを餌とし、大量発生した幼虫の一部が作物の地際部や地下部を加害する。この種は20~25℃では約15日で1世代を経過する。施設栽培ハウス等では周年発生する。加害作物は多種類にわたり、これまでキュウリやメロン、リンドウなどの花き類等で被害が報告されている。今回確認された施設ほ場では、有機物を多く含む培土を使用し、土壌がやや過湿になっており、生育不良株では炭疽病を併発していた。
防除対策は次のとおり。
(1)未熟な堆肥を施用すると成虫を誘引し産卵を促すため、完熟堆肥を施用する。また、有機物を含む基肥を施用する場合は十分に土壌混和する。
(2)ほ場周辺部に古株などの植物残渣、堆肥舎がある場合は発生源になりやすいため、周辺の衛生に留意する。
(3)幼虫が寄生した葉や花、萎れ等被害が見られる株は除去し適切に処分する。
(4)被害を認した場合は、イチゴのクロバネキノコバエ類、またはチビクロバネキノコバエに適用のある薬剤で防除する。防除の際はミツバチ等の有用昆虫への影響に注意する。
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