米国農家のトウモロコシ作付け意向「微増」 相場高騰-米農務省2021年5月7日
米国生産者の2021年産の作付け意向調査結果が米国農務省から公表された。農水省が4月28日に発表した海外食料需給レポートでは注目情報としてその状況を解説している。
米国の地表面温度と平年の偏差 「海外食料需給レポート」(農水省)より
米国農務省(USDA)が3月末に公表した作付意向調査では、冬小麦の作付面積が前年と比較して8.8%増の1339万haとなった。
一方、デュラム小麦を含む春小麦は、作付けが同時期となる大豆、トウモロコシ価格が高水準で推移していることから、4.7%減の539万haとなった。小麦合計は冬小麦が増えたために、前年度より4.5%増の1876万haとなる見込みだ。ただし、米国では2015年までは2000万haを超えており、それ以降、小麦の作付面積は減少傾向続いている。
小麦より大豆やトウモロコシが有利との選択で、大豆は今回の作付意向調査では前年度より5.4%増の3545万haとなった。米国の期末在庫率が2.6%と低いことも影響した。この低水準の期末在庫率は2013/14年以来。2018/2019年度は20%を超えていた。
一方、トウモロコシは期末在庫率が10.3%と低水準ながらも大豆よりは高いことから、前年度より0.4%と微増の3689万haにとどまった。
これらの調査結果は市場予測を下回ったため、3月末のシカゴ相場は大豆、トウモロコシともストップ高となった。
大豆とトウモロコシの作付面積は市場予測を下回ったといわれているが、これは農家の作付意向調査であり、価格下落を避けるために調査時点で面積を計画より少なめに回答した農家もいるのではないかとみる業界関係者もいるという。
中国の穀物需要は、ASF(アフリカ豚熱)からの回復で畜産再建に向けて旺盛でトウモロコシや大豆の国際価格は前年同時期と比較して高水準で推移している。そのため業界関係者はいずれはトウモロコシや大豆を作付けすると見ている。
今後、米国では作付けが本格化する。天候は4月中旬は米国西部では高温が続き、一方で中西部から東部にかけては低温傾向となっている。コーンベルト地帯を含む中西部で低温傾向が継続すればトウモロコシ、大豆の作付け遅れが懸念され、国際価格にも影響を与えかねない。農水省は米国の天候を注視していくとしている。
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