SBS輸入米落札低調 予定の17% MA輸入約束量は政府維持2022年2月17日
米のSBS(売買同時契約)輸入米の落札が低調となっている。年間10万tの買い入れ予定数量に対して2月15日の第7回入札までで1万7427tと17%となっている。国産米の下落で外国産米のニーズが低調となっている。
2月15日に実施された第7回入札では契約予定数量3000万tに対して落札数量は4140tにとどまった。落札率は13.8%だった。
申し込み件数は一般米枠で27件だった。落札数量でもっとも多かったのはパキスタン産のうるち精米長粒種で1052t。買い入れ価格(税込、加重平均)は1t19万9301円で売り渡し価格(同)は265181円だった。マークアップは1kg66円となった。
米国産は1000t落札。うるち精米中粒種は買い入れ価格(同)17万3560円、売り渡し価格(同)23万9440円。マークアップは1kg65円となった。
今年度の第1回入札は9月に行われ契約予定数量2万5000tに対して落札量はわずか744tと低調なスタート。その後も落札数量は増えていない。
外食などで主食用に販売されるSBS輸入米は、国産米の価格が大きく下がった平成26年度には落札数量1万2000tにとどまり、翌27年度も2万9000tと低水準となった。
近年では契約予定数量の10万t全量を落札したのは平成29年度。翌30年度から令和2年度まで6~7万tにとどまった。令和3年度の実績は6年ぶり低水準となりそうだ。
農林水産省は2月16日、第8回入札を3月1日に行うと発表した。契約予定数量は年間予定数量の残りとなる8万2573tとした。
ただ、SBS輸入米の落札数量が低調でも、WTO協定で合意したMA米約77万玄米tと、TPP11豪州枠最大8400t(21年度は6240t)の輸入は全量行われる。SBS輸入量が少なければ一般輸入米を増やすということだ。
MA一般輸入米は輸入後、飼料や援助に仕向けられ、主食用の需給には影響を与えないと政府は説明してきた。ただ、MA米は飼料に仕向けられることよる差損や、保管料が発生する。農水省の資料によると、MA米を飼料に販売すれば差し引き1t6万円の財政負担が発生する(1t8万円の輸入米を同2万円で飼料に販売)。50万t飼料向けにすれば300億円かかる。
保管料は年間1t1万円かかるため100万tの在庫に100億円かかる。
2019(令和元)年度のMA米の損益は売買損が287億円、管理経費が81億円で計368億円がかかっている。2019年度からはTPP11豪州枠分の経費も含まれるようになった。2015年度505億円、2014年度は412億円もの財政負担が発生している。財政負担には援助への活用分も含まれるが、援助するときは、援助先へのコメ輸出国が輸出減を懸念するため、国際機関などに連絡して協議する必要がある。コメ輸出国への忖度である。
財政負担を必要とする米政策を考えるうえで、MA米の制度、さらに貿易ルールも問う必要があるのではないか。
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