農福連携で「貴重な戦力」 農業者の10%が取り組み 農水省調査2022年3月22日
農林水産省は3月17日、「農福連携」に関する農業者の意識調査結果を公表した。
調査は昨年11月中旬から12月上旬に実施し、約2600人の農業者から回答を得た。
農福連携を「知っていた」との回答は10.2%、「聞いたことはあるが、内容は知らなかった」が24.5%、「知らなかった」が65.3%だった。
農福連携を知っていると回答した農業者のうち、実際に取り組んでいるのは10.4%だった。
その雇用形態は「障害者就労施設に作業を請け負ってもらったいる(いた)」が47.4%、「障害者等を直接雇用している(いた)」が39.5%だった。
障害者等が担う作業は、「出荷(出荷のための袋詰め、結束等、家畜の競り市場への移動を含む)」が44.7%、「管理作業(施肥、かん水、誘引、芽かき、家畜のエサの配合、排せつ物の処理、予防接種)など」と「収穫・調製(採卵含む)」が、それぞれ39.5%だった。
農福連携に取り組んだきっかけは「障害者就労施設等からの紹介」が23.7%、「地域の農業者からの紹介」が15.8%、「行政や農協等からの紹介」が10.5%だった。
農福連携に取り組むことによる効果は「人材として貴重な戦力になった」が57.9%ともっとも多かった。また、障害者等を雇用するために作業の見直しにつながったなど経営改善への効果を指摘する声も聞かれるが、今回の調査では「作業の見直しにより効率が図られた」が21.1%、「農作業の労働力確保で営業等の時間が増えた」と「収入が増加した」がそれぞれ18.4%となった。
農福連携を今後も「続けたい」とした回答は75.0%だった。
一方、農福連携に取り組んでいない理由は「障害者等を受け入れる設備が整っていないから」が56.1%でもっとも多く、「農福連携の取り組み方が分からないから」が24.3%、「障害者との接し方が分からないから」が17.8%だった。
農福連携に取り組んでいない農業者に対して取り組み場合に必要なことを聞いた回答では、「障害者等を受け入れる設備」55.7%、「障害者等を受け入れるための技術指導」48.7%、「障害者就労施設や障害者等ともマッチング」47.0%、「国や地方自治体の農福連携助成制度の創設、充実」が46.5%となった。
また、障害者等に農作業を依頼する場合に「分かるといいこと」は、「どんな作業ができるのか」が75.2%ともっとも多く、「作業の質が確保できるのか」43.9%、「費用などの金銭面」43.5%、「農作業をどのように教えればよいか」42.2%となった。
農福連携に取り組んでいる農業者を営農類型別にみると「施設野菜」20.0%、「畜産」14.3%、「その他作物」20.0%が高い。土地利用型農業や露地野菜、果樹では8.6%~8.8%だった。
重要な記事
最新の記事
-
渡邊次官は留任 林野庁長官に小坂氏、水産庁長官に藤田氏 農水省2025年6月24日
-
随意契約米 販売店 3万6737店 農水省2025年6月24日
-
日本農業再生機構設置を提言した涌井徹氏【熊野孝文・米マーケット情報】2025年6月24日
-
【Jミルク新執行部発足】需給対応に手腕注目、需要拡大目標設定と全国参加基金2025年6月24日
-
自律飛行型ドローンを活用した事業検討で基本合意 運航に必要なサービスを一体的に提供へ JA全農とKDDI2025年6月24日
-
夏の贅沢「丹波篠山デカンショ豆」JAタウンで予約販売開始 JA全農兵庫2025年6月24日
-
茨城県庁で子ども食堂への食品寄贈式 6月25日に開催 JA全農いばらき2025年6月24日
-
「とうもろこし収穫体験」開催 直売所「たべるJA(じゃ)んやまなし」が募集した315人参加 JA全農やまなし2025年6月24日
-
【JA人事】JA津安芸(三重県)新組合長に前川温仁氏(6月21日)2025年6月24日
-
【JA人事】JAおいしいもがみ(山形県)押切安雄組合長を再任(6月20日)2025年6月24日
-
サーキュラーエコノミーを加速 リーテムと業務提携契約を締結 JA三井リースグループ2025年6月24日
-
JAタウン「酪農家応援キャンペーン」対象商品は送料負担なしで販売2025年6月24日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」採択者が決定2025年6月24日
-
第8回「懸賞論文」入選作品が決定 家の光協会2025年6月24日
-
「上を向いて、笑おう。御堂筋天国 旬のたよりマルシェ」6月27日に開催 農林中金2025年6月24日
-
小泉農相と意見交換 政府備蓄米の安定供給と市場流通促進へ アイリスオーヤマ2025年6月24日
-
国際シンポ「地球沸騰化時代のアフリカ農業と日本の最新技術」開催 アクプランタ2025年6月24日
-
弘前大学と共同研究講座「岩木健康増進プロジェクト健診2025」に参加 雪印メグミルク2025年6月24日
-
夏休み 子どものいる困窮世帯に食料支援プロジェクト実施 全国フードバンク推進協議会2025年6月24日
-
パルシステム連合会 第43回通常総会 新理事長に渋澤温之氏2025年6月24日