アニマルウェルフェアで新たな指針 パブリックコメント募集へ 農水省2022年5月23日
農林水産省は5月19日にアニマルウェルフェアに関する意見交換会の第2回会合を開催した。アニマルウェルフェアに関する新たな指針を示し、近くパブリックコメントを募集する。
農水省は畜産物の輸出拡大を図るためにも、アニマルウェルフェアの水準を国際水準とする考えで国として指針を示す。
指針はOIEコードに基づき、乳用牛、豚、採卵鶏など各畜種ごとに飼養管理の仕方を示し、「実施が推奨される事項」と「将来的に実施が推奨される事項」に分けて示した。
指針は国として示すものだが畜産局長通知として発出する。罰則規定はないが、実施状況を国がモニタリングする。その結果もふまえて、農水省が第一段階と位置づける「実施が推奨される事項」の達成目標年次を設定する方針だ。
さらに可能な事項については補助事業のクロスコンプライアンスの対象とするなど、アニマルウェルフェアの普及と推進を加速する。
指針は畜種ごとに「管理方法」、「栄養」、「畜舎」とその環境などを示している。
たとえば採卵鶏では「実施が推奨される事項」では「鶏舎は損傷の原因となるような突起物がなく、簡単に清掃、消毒ができるよう設計、管理する」としており、「将来的な実施が推奨される事項」として「砂あびのエリア、ついばみのエリア、止まり木を設ける場合」の指針が記載されている。
指針はOIEで議論され合意された最新の指針と同様の内容。採卵鶏についてはOIEで合意されておらず、日本として賛成した「案」をもとにしている。
会合では委員から「指針の検討を合わせて、さらなる科学的検討が必要」、「地域の実情に合わせ多様な飼養形態を認めるべき」、「国内外への説明が重要」、「新たな投資のハードルが高い」などの意見が出た。
農水省はSDGsやみどり戦略の一貫としても「国際水準と遜色のないアニマルウェルフェアを実現していく」としている。
そのため補助事業の採択で指針とのクロスコンプライアンスも今後検討する方針だが「多くの経営体で実現できる事項について、それができていない経営体に努力を促すための方法として考えたい」としている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日