「環境にやさしい」と「稼げる」の両立めざす 熊本のみどり基本計画2023年3月14日
熊本県は3月6日、「熊本県みどりの食料システム基本計画」を公表した。「環境にやさしい農林水産業」と「稼げる農林水産業」の両立に向けた取組みを推進する。
熊本県では、2011年に土づくりと化学肥料・農薬削減に取り組む「くまもとグリーン農業」制度が発足、取り組みへの参加を表明した生産者(生産宣言者)は2021年度で県内販売農業者の約65%となっている。
この取り組みにより流通量は1989年を100とすると2020年には化学肥料は31.4%、化学農薬は30.5%と減少した。一方で慣行レベルより5割以上低減する特別栽培や有機農業に取り組む農業者は生産宣言者の17.5%にとどまっている。
今回の基本計画では、さらに化学肥料と農薬の使用量を減らすには「くまもとグリーン農業」の取り組みの高度化が必要としている。
目標は2024年までに化学肥料の20%減、化学農薬の20%減を掲げた。実現に向け、局所施肥技術や温湯種子消毒技術などを現地で実証展示し、これらの技術の導入、普及を図る。
温室効果ガスの削減に向けては、全国一の面積を誇る施設園芸で燃油の消費を極力減らす省エネ施設やヒートポンプの導入、内張・外張の多層化や自動環境制御装置の活用などの導入推進と、加温に頼らない作型や品種への転換など新たな栽培方法の導入推進を図る。
目標は園芸施設の加温面積における燃油使用削減に取り組む面積を2024年に90%(2017年度50%)とする。
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