途上国の小規模農家支援で共同声明 野村農相とIFADラリオ総裁2023年4月21日
野村農林水産大臣と、4月22日から宮崎県で開かれるG7農相会合に出席するため来日中の国際農業開発基金(IFAD)のラリオ総裁は20日に会談を行い、途上国を含む世界の小規模生産者を支援する戦略的パートナーシップの立ち上げに合意し共同声明に署名した。
野村農相(左)とアバロ・ラリオ総裁
IFAD(イファッド)は小規模生産者に焦点を当て支援、ネットワークを形成している。とくに途上国の農業は児童労働など人権問題や、環境破壊などの問題を解決し持続可能な農業で所得を確保することが求められている。
一方、日本をはじめ食品製造業などは原料を途上国を含め輸入に依存しているが、持続可能なサプライチェーンを確立するには、こうした川上の小規模生産者の課題を解決しなければならない。しかし世界の小規模生産者にまでトレースすることは難しい。
そこで農水省とIFADは、持続可能な食料システムを確立するうえで民間企業の参画を高めて小規模生産者を支援する「民間セクター・小規模生産者連携強化(ELPS=エルプス)イニシアティブを立ち上げる。
これは日本が2.3億円(22年度補正予算)の資金を拠出して実施される。
食品産業と世界の小規模生産者をIFADが取り持つことで、技術支援などで小規模生産者が持続可能な農業へ転換するとともに安定的な販売先を確保することにつなげる。一方、食品産業にとっては持続可能な原料調達が可能となる。
G7農相会合で野村農相は各国からの拠出も募る。
共同声明ではそのほか、世界の安全保障に関する認知度を高めるための啓発イベントを日本などで共催することや、イニシアティブの進捗確認を行い新たな課題と連携について議論する年次会合を開催することも表明している。
農水省がIFADが取り組みで提携するのは初めて。
イニシアティブに参画する民間企業などは今後検討する。
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