不適切事案への厳格な対応など求める 営農型太陽光発電めぐり自民党が提言まとめ2023年6月7日
自民党は6月7日、農林合同会議を開き、「営農型太陽光発電のあり方」に関するを提言をまとめた。農業生産と再生可能エネルギーの導入の両立が本来の姿であるにもかかわらず、営農がおろそかになっているケースが散見されるなどとして、一時転用の許可基準を法令に明記するなど不適切事案への厳格な対応を求めることなどを盛り込んでいる。
営農型太陽光発電は、農地に支柱を立てて上部に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業生産と発電で共有する取り組み。作物による収入に加え、売電による継続的な収入などで農業経営の改善が期待されている。
しかし、発電事業者が農業に精通しない者を営農者として地域外から連れてきて営農がおろそかにするケースが散見されるなど不適切な事案があるとして、自民党の「営農型太陽光発電に関するPT」で現地調査などを重ね提言案をとりまとめた。
提言では、農業と再生エネルギーの導入を両立させるのが本来の姿であるうえ、営農型の多くは一般家庭から電気料金の上乗せ分の徴収で成り立っており、営農が不十分で状況を放置することは公益上問題だと指摘、見直しの方向を示した。
具体的には、営農型太陽光発電が厳格に行われるよう、一時転用に関する許可基準について、作物の収量について地域平均の8割を要件とすることや、営農が適切に行われていることを示す営農計画書などの提出を法令に明記することを求めている。
また、一時転用許可基準の考え方や地域計画との関係、荒廃農地を再生利用する場合の考え方などについてガイドラインなどで明確化することも要請。さらに法令違反者の氏名や法人の名称の公表や、的確に実施されない場合の許可取り消しにつながる仕組みについて、将来的な法改正も含めて検討するよう求めた。
会議では、委員から「災害の多い日本では台風などでパネルが破損して鉛などが流出する恐れも考えられ、モニタリングも考えてほしい」とか「国もしっかりコミットする形で対応してほしい」といった意見や要望が上がった。
自民党は取りまとめた提言を近く政府に提出する。
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