農水省が農業支援サービス事業体に補助金交付 農協関与の低さが浮き彫りに 2023年10月3日
農水省は、2022(令和4)年度農業支援サービス事業インキュベーション緊急対策(スマート農業機械等導入支援)の第3次公募を8月25日に締め切った。スマート農業機械等の導入を行う農業支援サービス事業体に補助金交付するというもの。本紙の取材に対し、2次までの採択件数は60超となり、うちJAが1件、JA出資の別会社が1件であることが分かった。採択件数に対し、農協関与の低さが浮き彫りとなっている。
農水省は申請件数については明らかにしていないが、2次公募までで採択された60超のうち、農協が関与しているものが2件のみというのは、近い将来、生産者の急減と耕作放棄地の拡大が危惧されるなか、地域密着型の単協の役割が改めて問われることになりそうだ。今回、農協関連で採択されたのはいずれも北海道のJA新すながわ(砂川市)と、JAふらの(富良野市)が100%出資するコントラクター(農作業受託組織)のアグリプランの2件。3次公募の採択通知の送付は10月中旬以降を予定している。
JA新すながわ・奈井江支所は農薬散布用ドローンを導入
今回採択されたJA新すながわの奈井江支所(空知郡奈井江町)は、職員2名とパート1名が水稲を中心に飼料用作物で「農協が農家の部分的な作業を請け負っている」と担当者。昨年度は高能率播種作業が可能なシードドリル1台を申請して採択された。今回は、農薬散布用(レンタル機)とリモートセンシング用の2機を申請し採択された。管内では、トラクタや田植機は機械銀行を通じて農家に貸し出されているが、ドローンはないため、今後の農薬散布(空散)のアウトソーシングを要望する農家のニーズに単協として応えた格好だ。
奈井江支所管内は水稲単作地帯であり、転作で飼料用米(生籾)のSGS(ソフトグレーンサレージ)をつくる先進地域でもある。昨年度から飼料用の子実トウモロコシ(17ha)の雑草防除請負も開始したが、水稲と飼料用トウモロコシは登録農薬が異なるためドリフトに注意する必要があり、今後の面積拡大は未定。「(管内に)牛がいないので耕畜連携とならない」と担当者は嘆くが、「(補助金申請は)市町村を経由しないので迅速で使いやすい」という。
アグリプランは融雪剤散布用にクローラー式トラクタを導入
アグリプラン(山岸秀司社長)は、労務請負(農作業ヘルパー運用)を行う会社として、JAふらの100%出資で1994年に設立された。富良野市はタマネギの主産地で北見市に次ぐ道内2位の出荷量を誇る。アグリプランは、高齢リタイア世代を中心に職員数は約60名(半分は正社員)。今回初めて、融雪剤自動散布機として使用するためにクローラー式トラクタ1台を申請し採択された。1事業体に対する補助上限は1500万円(補助率1/2以内)なので、その半分を使った格好だ。今回導入した三菱農機販売のトラクタGCR1380を含めてトラクタはこれで5台目となる。大型トラクタではアタッチメント交換でロータリー、プラウ、ほ場の均平作業も行う。
自らの経営はリタイアしても農作業はできる高齢者を中心にオペレーターとして10~20人が農作業に従事している。現在約2200haの圃場で作業請負を行っているが、「(請負)面積というよりも月1200時間という時間管理で動いている」と山岸社長。ただ、これまで100haを10人で作業請負していたが、人手不足で5人で対応するようになっている。「機械の導入が進んでも、人手不足に追いつかない」と、高齢者雇用で乗り切ってきた人手不足も限界に近づきつつり、今後の先行きを不安視している。機械化による更なる省力化、省人化から全自動化なども検討課題となりそうだ。
今回採択されたJAなどからは電子申請(eMAFF)できる迅速性がメリットとして語られている。第4次公募も近いうちにありそうな気配だが、農協関連からの応募申請が増えるかどうか注目されている。
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