国産チーズ購入理由「安心感がある」が8割 農水省調査2024年5月21日
農林水産省が実施した国産チーズの消費拡大に関する意識・意向調査結果によると、国産チーズを購入する理由について「安心感があるから」と回答した割合が80.5%で「美味しいから」は48.2%だった。国産チーズを食べる機会を増やすために重要なことは「おいしさ」との回答が67.6%を占めた。
調査は消費者2000人とチーズ製造事業者188経営体を対象に1月中旬から2月中旬にかけて実施した。消費者2000人と事業者151経営体から回答を得た。
日頃どの程度チーズを購入しているかについては「毎月1回程度」が20.1%、「毎月2~3回程度」が18.9%、「年数回程度」が16.7%だった。
日頃チーズを購入する理由については「おいしいから」が62.4%、「自分が好きだから」が46.1%、「家族が好きだから」が32.5%だった。
そのほか「カルシウムが摂取できるから」31.8%、「たんぱく質が摂取できるから」28.5%、「健康によいイメージがあるから」24.9%と、栄養・健康面を理由とする割合も高かった。
農水省の分析によると、年代が高くなるにつれ「カルシウムが摂取できるから」といった栄養・健康面を重視した消費者の割合が増える傾向が示された。
チーズを購入する時に国産かどうかを意識しているかを聞いたところ、「生産国は意識していない」が59.7%を占め、「国産チーズを購入するようにしている」は32.9%だった。
国産チーズを購入する理由については「安心感があるから」が80.5%、「美味しいから」が48.2%だった。そのほか「添加物が少ないから」23.0%、「価格が安いから」22.5%、「好きなメーカー・工房があるから」18.6%だった。
国産チーズの購入や食べる機会を増やすために重要なことについては「おいしさ」と回答した割合が全体の67.6%を占めた。次いで「低価格」52.8%、「入手しやすさ」30.9%だった。消費拡大の課題は「おいしさ」にあることが示された。
事業者への調査で消費者の声を製造に反映するための取り組みを聞いたところ、「SNSの活用」が45.7%、「試食販売の実施」が36.4%、「問い合わせ窓口を設置」が34.4%だった。
チーズ製品の品質向上のための取り組みでは「衛生管理の見直し」が94.0%、「製造工程の見直し」が88.0%、「同業者との情報交換」が80.8%だった。製造での課題は「品質の向上」が61.6%、「品質の安定」が60.9%、「生産性の向上」が60.3%だった。
出荷・物流・販売での課題は「人手不足」が63.6%、「新規販路の獲得」が60.9%、「物流コスト削減」が48.3%だった。事業活動の課題は「売り上げの拡大」が74.2%、「新規顧客の確保」が70.2%、「リピーターの確保」が63.6%だった。
今回の意識調査結果をもとにした農水省の分析によると、消費者は(1)年齢が高く、たまにチーズを喫食している。美味しさ・低価格を重視、(2)年齢が若く、ほとんどチーズを購入・喫食しない、(3)年齢が若く定期的にチーズを購入・喫食している。首都圏在住者が多く外国産もしくは国産の小さな工房のチーズを選ぶ消費者が多い、(4)年齢が高く定期的にチーズを購入・喫食している。健康・栄養面を重視の4つに類型化されるという。
一方、製造事業者は(1)製造規模が大きく北海道にある事業者が多い。今後、事業拡大を予定しており、原材料・製造・物流・販売コスト削減、生産性の向上、人手不足が課題、(2)製造規模が比較的大きく、東海以南にある事業者が多い。今後、事業拡大を予定しており、技術習得、副産物の廃棄処理、販路の確保・新規販路の獲得、製品知名度の向上が課題、(3)製造規模は中~小、東海以北にある事業者が多い。資金調達、新規販路の獲得、物流コスト削減が課題、(4)製造規模が小さく、北海道にある事業者が多い。SNSの活用割合が低く、技術習得・販路の確保が課題の4つに類型化されるという。
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