農林水産祭 天皇杯など受賞者決定 農水省2024年10月4日
農林水産祭中央審査委員会は10月2日、令和6年度(第63回)農林水産祭の天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞の各受賞者を発表。過去1年間277件の農林水産祭参加表彰行事で受賞した全463点の中から、7部門23件が選ばれた。また、女性の活躍が著しい2点に対して、内閣総理大臣賞と日本農林漁業振興会会長賞が受賞。表彰式は、11月23日に明治神宮会館で行われる。
農林水産祭は、国民の農林水産業と食に対する認識を深め、農林水産業者の技術改善および経営発展の意欲を高めるため、農林水産省と(公財)日本農林漁業振興会の共催で昭和37年から実施している。
農産・蚕糸部門で天皇杯を受賞したのは、滋賀県近江八幡市の株式会社イカリファーム。水稲、麦、大豆の生産から流通・販売まで手掛ける大規模土地利用型法人で、担い手不足の農地を積極的に受託している。パン用小麦の生産と販路開拓における「経営改善」の軌跡とパン用小麦の拡大に向けた取り組みが評価された。
園芸部門は、福島県大沼郡昭和村のJA会津よつば昭和かすみ草部会が受賞。同部会では、栽培技術の習得支援と併せて、部会員や地域住民とのネットワーク構築等も支援により、県内外からの新規就農希望者を継続的に確保。就農後の定着率も高く、これまでに移住してきた既就農者が新規就農者の支援・指導に当たることで、担い手確保・育成の好循環が生まれている。
畜産部門は、山形県南陽市の株式会社蔵王ファームが受賞。畜産DX・地域資源フル活用による安全・安心なブランド牛肉の一貫生産が評価された。
全受賞者は次の通り(▽部門名「受賞した取り組みなど概要」受賞者(代表者)・所在地、経営作物など。敬称略)。
【天皇杯】
▽農産・蚕糸部門「「経営改善」の軌跡とパン用小麦の拡大に向けて 」(株)イカリファーム(代表:井狩篤士)・滋賀県近江八幡市、水稲、麦、大豆
▽園芸「産地一体となった新規就農者の確保により「百年産地」を目指す」JA会津よつば昭和かすみ草部会(代表:立川幸一)・福島県大沼郡昭和村、宿根かすそう
▽畜産「畜産 DX・地域資源フル活用による安全・安心なブランド牛肉の一貫生産」(株)蔵王ファーム(代表:髙橋勝幸)・山形県南陽市、肉用牛一貫
▽林産「森林サービス産業の推進による都市近郊での新たな林業経営」(株)TーFORESTRY(代表:辻村百樹)・神奈川県小田原市、林業経営
▽水産「そや、頭を使ってより良うしたろ!―大型施設で生産効率 UP―」中辻清貴・北海道利尻郡利尻町、漁業経営改善
▽多角化経営「栽培から加工販売まで差別化を図り事業展開」(株)なかひら農場(代表:中平義則)・長野県下伊那郡松川町、リンゴ6次産業化
▽むらづくり「88のアイデア実現を目指して、「え~ひだ」を創るカンパニー」えーひだカンパニー(株)(代表:川上義則)島根県安来市、むらづくり活動
【内閣総理大臣賞】
▽農産・蚕糸部門「熊本地震から未来につなげる創造的復興」農事組合法人秋津営農組合(代表:上田徳行)熊本県熊本市、大豆
▽園芸「合理的な生産・経営で高収益を実現」山田裕也・愛知県豊川市、スプレーギク
▽畜産「耕畜連携を通じて地域農業の持続発展を図る牛に優しい酪農経営」須藤晃、須藤淳子・群馬県前橋市、酪農
▽林産「高い技術力と漁業関係者との協働によるトドマツ、カラマツの優良な苗木生産 」惣田政宏・北海道広尾郡広尾町、苗ほ
▽水産「一年漁師-寄り道から始まるつながり- 」(株)天洋丸(代表:竹下千代太)・長崎県雲仙市、地域活性化
▽多角化経営「良食味米の用途拡大で雇用を創出し、中山間地農業を未来へつなぐ」(有)川口グリーンセンター(代表:白鳥正文)・宮城県栗原市、水稲、スプレー菊
▽むらづくり「「誰も取り残さない直売所」を目指す女性たちの挑戦」中泊町農産物加工販売施設出荷者協議会(代表:田中恵津子)・青森県北津軽郡中泊町、むらづくり活動
【日本農林漁業振興会会長賞】
▽農産・蚕糸部門「「うれしの茶」の維持・継承を担う生産技術の研鑽と地域活性化の取組」三根孝之・佐賀県嬉野市、茶、蒸し製玉緑茶
▽園芸「大規模な園地整備と手厚い新規就農者支援により短期間で優良産地へ発展 」JA岡山加茂川ぶどう部会(代表:瀬尾和弘)・岡山県加賀郡吉備中央町、ぶどう
▽畜産「稲発酵粗飼料を中核として耕畜連携体制を実現した TMR センター」広島県酪農業協同組合(代表:温泉川寛明)・広島県三次市、飼料生産部門
▽林産「認証森林での高密度路網と車両系林業機械の活用による高収益な林業経営」山田芳朗・静岡県静岡市、林業経営
▽水産「地元の鮮魚(エソ)を使用した高品質のかまぼこ」(有)三好蒲鉾(代表:三好忠之)・山口県萩市、水産加工品
▽多角化経営「農外から新規参入し「サラリーマン農業」を目指す」(株)かまくらや(代表:藤本孝介)・長野県松本市、そば、加工用トマトほか
▽むらづくり「有機農業で持続可能な交流・定住を~農は最高の教育資源~」特定非営利活動法人アグリやさと(代表:柴山進)茨城県石岡市、むらづくり活動
【女性の活躍内閣総理大臣賞】
▽園芸「働き方改革で誰もが幸せに 」(株)みっちゃん工房(代表:光永カオリ)熊本県上益城郡益城町、ベビーリーフ
【女性の活躍日本農林漁業振興会会長賞】
▽農産・蚕糸「女性農業経営者が持続可能な中山間地農業を実現 」(株)穂々笑ファーム(代表:堀内由希子)岡山県赤磐市、水稲
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