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農政:バイデン農政と日本への影響

【バイデン農政と日本への影響】第2回 深刻化する米国の「飢餓問題」~ミドルクラス対策は功を奏するか エッセイスト 薄井 寛2021年2月24日

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バイデン大統領は1月22日、コロナ禍困窮者を救済するための大統領令に署名し、「アメリカでは7家族の内の1家族、黒人とヒスパニック系では5世帯の内の1世帯が食事を十分に摂ることができないでいる」と強調した。

農務省は「食糧福祉省」か?農務省は「食糧福祉省」か?

大幅に増えた食料支援金の受給者

2020年春以降、SNAP(スナップ)(補助的栄養支援計画、旧フードスタンプ)と呼ばれる農務省の食料支援金の受給者が急増している。3月から9月の半年間で3714万人から4292万人へ16%も増えた。

SNAP受給の世帯条件は総所得が貧困ライン(21年度は4人家族で年2万6500ドル)の130% (48州標準額3万4068ドル、約358万円) 以下だ。つまり、この受給者急増は、失業等の理由で貧困ラインの130%以下にまで所得を減らす中間所得者が増えたという米国社会の今の姿を浮き彫りにしているのだ(表参照)。

(表)米国農務省のSNAP(補助的栄養支援計画)の支給実態

1971年に全世帯の61%を占めていた中間所得者の割合は、経済格差の拡大で2019年に51%へ落ちた。今回のパンデミックがミドルクラスをさらに衰退させ、その割合は50%を切ったかもしれない。

バイデン大統領は就任前の1月14日、1.9兆ドル(約200兆円)規模の追加経済対策案を公表した。内外のメディアは今、同法案の議会承認に関心を集めるが、もう一つ注目すべきは、この法案の狙いが、選挙戦以来、ミドルクラスの復活・強化を繰り返し訴えてきたバイデン大統領の"中間所得層対策"にあるという点だ。

年収7万5000ドル以下の成人に対する1400ドルの現金給付に加え、失業手当積み増しの延長、州政府に対するコロナ対策などの財政支援が追加経済対策の主な柱となるが、農業関係者の間では農務省割り当ての約160億ドルが注目されている。

その内のほぼ4分の3がSNAPの15%支給増や学校給食補助の拡充など、ミドルクラスを含めた困窮・失業世帯に対する食料支援に投入されるからだ。

米国農務省の実質は「食料福祉省」

この食料支援が実行されれば、4人家族の平均的なSNAP受給世帯には本年9月まで毎月72ドル(約7500円)が追加支給され、21年度の支給総額は約67万円に達する(平均月額477ドル×12+72ドル×9=6372ドル)。受給者はSNAPマネーカードを使ってスーパーや食料雑貨店、ファーマーズマーケット等、全米約25万の登録店舗で食料品や飲み物等を購入できる。こうした食料支援金の受給者が4200万人、18歳以上人口の20%を超えるに至ったのだ。

ただし、農務省の食料支援策はこれに限らない。低所得世帯の児童や母子家庭等への特別補助、貧困高齢者への食料配布補助など15種類に及ぶ。それら全体の21年度当初予算は980億ドル(約10兆3000億円)。農務省予算(1510億ドル)の実に65%を占める。この食料支援予算は米国人の家庭用食料購入額(7994億ドル、19年)の12%、生活費全般を補助する日本の生活保護制度への国庫負担(2兆8200億円、20年)の3.6倍に相当するほどの規模だ。

バイデン大統領の政権移行チーム内では、農務省を「食料福祉省」へ名称変更すべきだとの意見まで出たと伝えられるが(ニューヨークタイムズ紙)、そのゆえんはこの実態にある。

また、バイデン政権の食料支援策には、トランプ前大統領を支持してきた白人労働者らのミドルクラスを民主党側へ引き寄せようとする狙いに加え、そのほとんどが中間所得層に属する家族経営農家へ秋波を送る"農業版ミドルクラス対策"という思惑もある(表の注参照)。

その中心は「地域食料サプライチェーン支援」だ。ファーマーズマーケットに対するコロナ安全策などの補助や農村部の農産加工支援、学校給食や農村総合病院等に対する地元産農産物の供給補助などを通じ、地域食料供給体制の活性化を図る計画である。議会が承認すれば、総額36億ドル(約3700億円)が投入される。

確かに、SNAPなどの拡充強化には農畜産物の消費拡大と価格の下支え効果がある。また、ファーマーズマーケットや地元産の活用事業などに対する財政支援は中小農家の生き残りに役立つことが期待される。

トランプ農政は米中貿易戦争やコロナ禍の被災農家へ多額の救済金をばらまき、大規模農家へ補助金を集中させる結果をもたらしたが、バイデン政権の取り組みがそれと一線を画そうとしているのは明らかだ。

だが、バイデン政権の"ミドルクラス対策"にトランプ岩盤支持層の切り崩し効果があるかどうかは不透明だ。さまざまな取り組みの結果を有権者がどう評価するか。中小の家族経営農家の評価も、バイデン農政が実際に農業所得の増加や地域活性化へ繋がるかにかかってくる。

他方、食料支援の強化などを求めるNGO組織はバイデン大統領の誕生を機にその勢いを吹き返し、ワシントンでのロビー活動を強めているようだ。中には、「児童栄養改善のためのホワイトハウス・サミット」開催を画策する組織もあると伝えられる。

だが、バイデン農政がこのような都市部を中心とした民主党リベラル派の方向へ傾き過ぎれば、農村部での"ミドルクラス対策"の政治的効果が削がれかねない。そのかじ取りが注目される。

【シリーズ:バイデン農政と日本への影響】

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