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農政:バイデン農政と中間選挙

【バイデン農政と中間選挙】「ウクライナ危機」食料危機をはらむ~インフレで加速する政権離れ【エッセイスト 薄井寛】2022年2月9日

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米国の農業情勢は本年、(1)肥料高などの資材インフレ、(2)長引くコロナ禍による農業・運搬労働者の不足、(3)政府補助金の減少と金利上昇による農家経済の低迷などによって、不安定な展開を余儀なくされるとの予測が広まっている。

急騰する穀物・大豆価格

こうした情勢に「ウクライナ危機」の波乱要因が新たに加わった。"ヨーロッパのパン工場"と呼ばれるウクライナは肥沃な黒土地帯に4100万ヘクタール(国土の約70%)の農地を有する大農業国。近年は、黒海・地中海の輸送ルートを生かしてアラブ、北アフリカ、それに中国などのアジア地域へ輸出を伸ばし、世界市場に占めるシェアはヒマワリ種子で50%(世界1位)、小麦12%(3位)、トウモロコシ16%(4位)、大麦は18%(2位)に達する。

ロシアも外貨獲得をねらって小麦などの輸出に力を入れてきた。世界の穀物貿易量に占める両国の割合は25%を超える。それだけに「ウクライナ危機」が軍事衝突へ発展し、同国南部のオデッセなど黒海沿岸港の輸出施設が稼働不可となれば、世界の穀物・油糧種子市場へ甚大な影響を及ぼすのは必至だ。

昨年末から2月初旬、欧米諸国の市場は「ウクライナ危機」へ敏感に反応した。シカゴ市場では、特に米国の輸出割合が高いトウモロコシと大豆の価格が急上昇。2月7日までの2カ月間にこれらの価格はそれぞれ10%、26%以上のアップだ。

消費減と輸出の低迷予測で昨年11月頃から値を下げていた小麦価格も上昇へ転じた。中国やEU諸国などでは低品質の安い小麦が大量に飼料へ回されており、「ウクライナ危機」が飼料原料全般の需給へ及ぼす影響が予想されるからだ。

また2月上旬には、収穫期に入る南米ブラジル・アルゼンチンから作柄不良の情報が伝わり、同時に中国の動きにも市場は反応した。

穀物などの輸入多元化を進める中国はウクライナからトウモロコシやヒマワリ種子などの輸入を増やしてきた(中国のヒマワリ種子油消費に占めるウクライナ産の割合は45%超)。その中国が1月下旬以降、米国産大豆の買い付け予約量を増やし、"中国は買い急いでいる"との憶測が米国での先物市場価格を引き上げているのだ。

(表)ロシア・ウクライナの小麦・小麦粉・小麦食品輸出量

インフレ悪化とバイデン支持率の低下

ウクライナ国境周辺に兵力を集結するロシアは、果たして侵攻の暴挙へ出るのか。"プーチンのブラフ"に終わるとの見方もあるが、軍事衝突は避けられないとの観測も強まってきた。

「ウクライナ侵攻」の影響はどれほど甚大なものになるのか。二つの点に注目したい。

第1は食料インフレだ。市場での投機筋の動きがさらに活発化するようなことになれば、小麦粉食品や植物油に留まらず、飼料原料の需給ひっ迫で畜産酪農産品も含めた、各国の広範な食料品価格へいっそう深刻な影響が出てくる。

ロシアがクリミア半島を併合した2014年、穀物・大豆価格は2カ月余りの間に15~25%も上昇したが、今回ロシアがウクライナへ侵攻すれば、その影響は14年をはるかに上回ることになる。なぜなら、(1)ウクライナ・ロシアの穀物・油糧種子の輸出シェアが近年大幅に増大し(表参照)、(2)本年1月の世界食料価格指数(14~16年=100)は135.7と、11年2月の過去最高(137.6)へ迫る水準へ上がっており、(3)米国などの経済制裁でロシアの石油・肥料原料などの輸出が途絶して、資源インフレが食料インフレに追い打ちをかけることになるからだ(ロシアと隣国の同盟国ベラルーシはそれぞれアンモニア、加里の大輸出国)。

2010年の冬に北アフリカのチュニジアから始まった「アラブの春」も、パンの値上がりに抗議する市民の反政府デモが発端であった。アフリカやアラブの途上国でウクライナ・ロシア産の小麦などの輸入が今後止まることになれば、より深刻な政治不安に陥る国が多数出てくるだろう。

食料インフレの悪化から日本も逃れることはできない。過去1年ほどの間に10%以上も円安が進んだ我が国の国際的な〝食料購買力″は、「ウクライナ危機」でより脆弱(ぜいじゃく)化する可能性があるからだ。

一方、人民元を実質的に管理する中国では2020年5月から本年1月にかけ元が対ドルで13%も値上がりしており、日本の"買い負け"はいっそう厳しい事態に陥るだろう。

もう一つ注目すべきは米国世論への影響だ。消費者の80%以上が食肉や青果物などの値上がりに反発。インフレ対策への不満が今やバイデン不支持の主因となってきた。「ウクライナ侵攻」によって米国内の食品価格がさらに高騰するなら、特にバイデン政権誕生に大きく貢献した中間層の有権者の間で、"バイデン離れ"が加速する。

「ロシアのウクライナ侵攻に対する米国の派兵」にも、米国内の世論は冷ややかだ。「派兵」の支持率が13%程度に留まった世論調査の結果も伝えられる。

だが、ロシアとの安易な妥協も危険だ。トランプ前大統領らによる「弱い大統領」のレッテル張りでバイデン不支持が急増しかねないからだ。ロシアの「ウクライナ侵攻」をバイデン大統領は止められるのか。11月の中間選挙を控え、難しい選択を迫られている。

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