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農政:森田実と語る!どうするのかこの国のかたち

"組合活動のスタイル変えたい" 食の安全確保には原材料の価格転嫁も必要 芳野友子・連合会長【森田実と語る】2022年9月20日

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政治評論家の森田実氏が、各界のキーマンと語るシリーズ「森田実と語る!どうするのか この国のかたち」。今回は、労働組合を束ねる「日本労働組合総連合会」(連合)の芳野友子会長にインタビューした。昨年10月に女性として初の連合会長に就任し、男性社会とされる労働界で“ガラスの天井”を打ち破った芳野会長に、今後の女性活躍の場をどう切り開くのか、また、食の安全安心確保に向けた考えなどについて聞いた。(敬称略)

芳野友子・連合会長芳野友子・連合会長

先進国で最低レベルの「ジェンダー・ギャップ指数」

森田 はじめに連合会長というナショナルセンターのリーダーに女性として初めて就任したお立場から、まず今の日本の政治経済の局面をどうご覧になっているか、お聞かせください。

芳野 世界経済フォーラム(WEF)が発表した最新の「ジェンダー・ギャップ指数」で日本は総合順位が116位で、先進国で最低レベルでした。特に政治と経済の分野で女性参画の遅れが目立っていますので、この結果が今の日本の政治経済の問題の本質を物語っているのではないかと思います。
賃金について触れますと、日本は1997年ごろをピークに停滞し続け、雇用形態間や男女間の格差是正がなかなか進まない状況の中で、労働者保護に関する規制緩和によって、非正規雇用労働者が大幅に増えました。非正規雇用労働者の中で多いのは女性ですし、そういう意味では、女性の活躍が日本としては非常に遅れていると感じます。

以前、OECDの調査で女性が活躍している企業の方が利益率が高く、女性が活躍した方がより経済成長につながるというデータが示されていたと記憶しています。やはり日本では女性の活躍が遅れていることで、今の状況があるのではないかと思っています。雇用形態の違いによる賃金格差の是正をしていくことで経済も社会も大きく変わっていくと思いますし、やはりキーワードは女性の活躍だと思っています。

多様性の時代に応じた組合活動を

森田 その意味でも連合初の女性会長として芳野さんへの期待は高まっています。7月の参議院選挙でも女性当選者が過去最多となり、女性議員の比率も過去最高になりました。これまでに感じられた課題や女性の時代を切り拓くリーダーとして今後さらなる女性の社会進出にどう取り組まれるか、改めてお聞かせください。

芳野 参議院選挙の女性候補者数は181名と、過去最多であった1989年の第15回の記録を大きく更新し、比率も33. 2%と過去最高となりました。当選者数も過去最多の35人となりましたし、連合としても一定の評価をしています。ただ、衆議院はわずか9. 7%ですので、まだまだ政治分野での女性の参画は全然足りないと思っています。
それからクローズアップされることが少ないですが、今回も含めて国政選挙の投票者数は男性よりも女性の方が多いのです。しかし、当選者数は男性の方が多い。女性の声を代弁する議員が圧倒的に足りないということですので、やはり国民の声、女性の声をしっかりと反映させていくためには、当事者である女性がもっと増えていく必要性があると思います。

これは労働組合の活動にも同じことが言えます。連合の2021年の調査なのですが、連合全体の女性組合員比率が36.2%であるのに対して、女性の執行委員比率は構成組織で16.5%、地方連合会で13.3%となっています。また、執行委員を務めていたとしても、例えば委員長や書記長といった三役のポジションに就く女性はまだまだ少ない状況です。
組合活動も、男性中心の運営や活動スタイルではなかなか女性が参画しづらいということもありますので、多様性の時代を迎え、既婚・未婚や性別、国籍などにかかわらず、様々な人たちが組合活動に参画できるような活動のスタイルにしていくことが求められると思いますし、男性中心の労働組合で女性の私がトップになったことで、これまでのスタイルを変えていくことも私の役割ではないかと考えています。

農業分野でも原材料の増加分は価格転嫁が重要

森田 ところでこのところ、ウクライナ紛争などもあって日本では食料安全保障が課題となっています。日本は食料やエネルギーの多くを海外に依存し、食料自給率の向上などが課題になっています。この問題への所見をお聞かせください。

芳野 最近ではエネルギーで強く安全保障が言われていますけれども、食料や農業の安全保障と自給率向上についても連合は強く課題意識を持ち、食料自給率を上げるよう政府や政党に求めています。
食や農業をめぐっては、まず私たちは消費者としての食の安心安全、さらには安定の充足が基本と考えていますが、一方の生産サイドでも同じことが言えます。食や農業の基盤に関わる産業にはJAをはじめ多くの私たちの仲間が働いていますが、働く方が誇りを持って働ける環境であることも、安心安全や安定、さらには産業の持続性に繋がると考えておりますので、その両面から政策提言をしています。

やはり食料の安全を確保するためには、海外からの安定的調達はもちろんですが、国産農作物の消費拡大や、食料・農林水産業の担い手不足の解消、経営体力の向上、そして基盤整備強化など、食料自給率の向上に向けた政策を戦略的に進めることが必要だと考えています。連合の加盟組織でも、地産地消や家庭で余った食品を寄付するフードドライブの啓発などに力を入れているところもあります。
また、最近の原材料やエネルギー価格の高騰は農業経営も圧迫していますので、農業分野における適正価格を追求するためにも、原材料費の増加分はきちんと取引価格や消費価格に転嫁できる動きが重要ではないかと考えています。

もっと地域に顔の見える労働運動に

森田 戦後77年となります。私は終戦時に中学生でしたが、当時とは状況が違うとはいえ、これからの日本が大変だという点で共通していると考えています。当時、占領軍が命令してきたのが労働組合法の制定、それから男女同権で、女性の参政権が行使されることになりました。この二つが日本に風穴を空けて、農地改革や財閥解体と続き、日本の経済成長の土台になりました。私は今、同じことを感じていまして、労働組合が強くなり、女性の時代が到来すること、これが日本再建の鍵になるのではないかとさえ考えています。

芳野 コロナ前からの問題だと思いますが、女性が多い非正規雇用労働者やひとり親家庭など、コロナ禍で本当に弱い立場の人たちがどんな人たちなのかが、より鮮明になったと思います。非常にショッキングだったのが、昨年の年末に生活に困窮した女性の自殺者が非常に増えたというニュースでした。なぜそういう方たちに手を差し伸べることができなかったのか。もちろん連合の地方組織(地方連合会)なども地域でフードバンクをやったりだとか生活困窮者とコミュニケーションをとって手助けをする地道な活動はやっています。しかし、その数字を見ると、まだまだ労働組合の取り組みが地域の中で足りていないのではないかとも思いますし、連合本部としての発信力、困りごとがあったときに、ぜひ連合に声をかけてくださいという呼びかけがなかなか日本全体に浸透できなかったという点で、もっと地域に顔の見える労働運動を目指していかなければならないと思っています。

政治や経済分野でも「ガラスの天井」克服を

森田 やはり政治がしっかりしないといけません。政治の責任は大きいですよ。イギリスでは女性首相が誕生しましたし、日本でも頑張りたいところですね。

芳野 G7の労働組合版で「L7」という組織がありますが、実は女性のトップが多いです。今年5月にドイツで定期大会が行われたとき、トップの女性が「私は女性だから選ばれたのではなく、この仕事ができるから選ばれた」と堂々と自己紹介をされていて、とてもかっこよかった。日本でも女性が自信をもってこうした発言ができる社会にすることが私の役割だと思いました。
ただ、労働組合の「ガラスの天井」は壊すことができても、政治や経済分野、会社の中はまだまだ壁が厚いですね。女性に家事や育児等の負担が偏る現状では、例えば選挙でも小さいお子さんを抱えている方が何日も運動を続けることは難しいですし、議員になってからも重責を担うために勉強する時間が必要ですから、ベビーシッターや家族が手助けしてくれる環境でないと両立が難しいと思います。諸外国の女性の政治家がどのように子育てや介護をしながら政治家として活躍しているのか、私たちももう少し勉強して、どんな人でも政治に参画できる環境にしていかなければいけないと思います。

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