農政:緊急特集・衝撃 コロナショック どうするのか この国のかたち
農協は新型コロナウイルスに何を学ぶか JA十和田おいらせ 小林光浩理事【衝撃 コロナショック どうするのか この国のかたち】(中)2020年5月27日
◆感染拡大に伴い活動自粛が加速
2月に入ると国内感染のニュースが多く流れ、世間でもイベント中止や会食の自粛などの対策が騒がれ出したので、当農協としても窓口職員や会合・接客などでのマスク着用を実施するとともに、農協主催の生産部会の懇親会や役職員・組合員の飲み会を中止することにした。
農協主催の集客を伴うイベントの中止、小さな子どもを持つ職員に対する育児有給休暇の取得推奨、県外出張自粛、組合員に対する営業活動自粛などの対策も実施した。青森県内では農協として早い対応であったと自負している。これも、役員の視察研修の経験が生きたと考えている。
3月に入ると臨時総代会の開催が控えていた。地区別説明会はマスク装着で対応し、臨時総代会はできるだけ書面決議で行うことで組合員にお願いした結果、約500人の総代のうち過半数以上の書面決議書を集めることができたが、実際の出席者が100人を超えたのは残念なことであった。
こうした状況が続く中、農協事業での影響は当然ある。国内の飲食店営業自粛などによる消費減退では、特に牛肉の価格低迷による肥育農家の経営悪化、野菜価格の低迷もある。さらに、農協介護事業や葬祭事業などの接客事業における利用者感染防止対策徹底など。旅行や会食施設の利用事業は、ほとんど利用がない状態にある。
また、葬儀への参加自粛による葬祭事業の極端な落ち込み。そして、接客を主体とする農協事業推進の自粛の影響はこれからだろう。今の段階で、事業計画の達成状況や農協経営への影響は見通すことができない。
当農協としては、令和元年度事業として野菜価格低迷に対する営農支援事業(支援事業規模6億円超)の対策を実施したが、同様に今後も牛肉価格低迷への対策や組合員の営農支援・生活支援を実施しなければならない。現在検討中である。
◆農協が果たすべき役割とは何か
こうした緊急事態において、まずはウイルス感染における農協が果たすべき役割とは何かを全役職員一丸となって考え、緊急・重要度の高いものから、必要な時に必要なものからスピードを持って実践することが求められる。
重要なことは、「新型コロナウイルスによる農協経営への悪影響を考慮した組合員の命・経済をおろそかにすることがあってはならない」「組合員のための農協である」という協同組合のあり方、経営方針を皆で確認することである。
検討すべき事項の順位は、第1に命を守ること、第2に組合員の営農と暮らしを守ること、第3に農協事業のあり方を変えていくこと、第4に社会貢献すること、第5に農協経営を存続することである。これらの内容についてさらに深掘りしよう。
第1に、新型コロナウイルスから命を守ることとは、「組合員の命をどう守るか」「役職員の命をどう守るか」「地域住民の命をどう守るか」「協同組合の仲間の命をどう守るか」「世界中の貧しい命をどう守るか」などである。それらは、「新型コロナウイルスにかからない、うつさないための取り組み」「感染者・家族を支援する取り組み」「今後感染した場合の取り組み」など。
第2に、新型コロナウイルスから組合員の営農と暮らしを守ることは、「再生産できる農産物価格を確保すること、」「営農を守るため支援すること」「事業資金や生活資金を融資すること」「暮らしを守る事業を展開すること」などである。
第3に、新型コロナウイルスによって農協事業のあり方を変えていくことは、「地産地消の食料自給率向上事業を確立すること」「人との接触を避けるIT(情報技術)社会におけるAI(人工知能)の活用を確立すること」「農協による宅配事業の物流を確保すること」などである。
第4に、新型コロナウイルスにおいて社会貢献することは、「社会インフラとしての農協事業を継続すること」「協同組合による社会作りを進めること」などである。
いずれにしろ、農協の現場力が試される時に求められるものは、役職員の皆が問題意識を持って共有していることであり、現場での問題・課題解決力、いわゆる現場力を発揮できる農協作りに取り組んできたのかが問われるものである。
写真=JA十和田おいらせ 小林光浩理事
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