うどんこ病に優れた効果「ガッテン乳剤」 大塚アグリテクノ2013年2月20日
大塚アグリテクノは2月1日、うどんこ病専用剤フルチアニル乳剤(「ガッテン乳剤」)の農薬登録を取得した。2月20日に都内で会見を開き、今後の販売計画などを明らかにした。
◆生産現場待望のうどんこ病用殺菌剤
うどんこ病は野菜、果樹、花き類など園芸作物の重要病害だが、防除の上では、耐性菌が発達しやすく、有効な薬剤が少ないなどの課題がある。
大塚アグリテクノが新たに開発した「ガッテン乳剤」は、既存のうどんこ病殺菌剤とは異なるユニークな構造を持つ化合物で、低濃度で高い殺菌効果がある一方、有用昆虫や天敵、人畜などへの安全性が非常に高い。また、残効性に優れているため予防効果も高い。「園芸作物などの生産現場で待ち望まれた薬剤だ。生産者に速やかに受け入れられるだろう」(森明平・大塚アグリテクノ代表取締役社長)と自信を持ってすすめる新製品だ。
◆デュアルカットオフ効果で感染遮断
最大の特長は「デュアルカットオフ効果」だ。既存のうどんこ病殺菌剤が持っていた病原菌の吸器形成を阻害する効果だけでなく、吸気からの栄養吸収も阻害するため、病斑の拡大や2次感染を遮断する。
残効性が優れているのも大きな特長で、既存剤の多くは2週間ほどで効果が薄まり始めるが、「ガッテン乳剤」はそれ以上の残効性があり、1シーズン中の防除回数の低減も期待できる。 また、果実や花弁への汚れが少なく、収穫前日まで使うことができる。
希釈倍数を5000倍にしたことで、容器サイズを小型化し物流コストと資源の節約にも努めた。
適用作物はキュウリ、イチゴ、ナス、スイカ、メロン、カボチャ、花き類だが、今後はトマト、エンドウ、インゲン、ソラマメなどにも適用を拡大していく予定。また、ブドウなどの果樹を対象としたフロアブル剤の開発も進めている。
国内で約20億円といわれるうどんこ病殺菌剤市場のうち、上市3年でシェア20%(4億円)をめざす。さらに同社のもつ園芸用殺菌剤「オーシャイン」などとの混合剤とあわせれば8億円の販売を目標にしている。
規格は40ml・10本・4箱/ケースと、100ml・20本/ケースの2種類。それぞれ、3月21日、同25日に上市する。
(写真)
上:森明平社長
下:「ガッテン乳剤」パッケージ(左から100ml、40ml)とイメージキャラクター
(関連記事)
・【農薬登録情報】 2月1日付 日産・メタゾスルフロン、大塚・フルチアニルが登録取得 (2013.02.05)
・【人事速報】 大塚アグリテクノ (1月1日付) (2013.01.11)
・大塚アグリテクノ、インドに研究所 (2012.10.04)
・2成分で水稲害虫を防除 オーベスト箱粒剤 大塚アグリテクノ (2012.03.12)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日