国産農産物への農薬使用と残留調査結果2018年3月30日
農林水産省は、農薬の適正使用を確認するため、平成27年度と28年度の国内産農産物の農薬使用状況と残留状況についてを調査し、3月28日、その結果を発表した。
◆すべての農家が適正使用
農薬の使用状況についての調査では、706戸(27年度240戸、28年度466戸)の農家に対し、記入簿への記入または聞き取りを行うことで農薬の使用状況を調べた。その結果、今回調査したすべての農家で農薬が適正に使用されていることが確認された。この結果から、農家における生産現場での農薬の適正使用への意識は高いという結果が得られた。
農薬の残留状況については、706検体(27年度240検体、28年度466検体)の農産物について、それぞれ平均5種の農薬を分析し、延べ3763種類(27年度991、28年度2772)の農薬と作物の組み合せについて残留状況を調査した。その結果、27年度に2検体が食品衛生法にもとづく残留基準値を超える農薬を含んでいたが、28年度は残留基準値を超える農薬を含んだ検体はなかった。
27年度の2検体については、ニラで基準値(0.1ppm)を超える濃度のプロチオホスが検出された。当該検体を栽培した農家を調査したところ、両農家とも、ニラの株元に灌注したプロチオホス乳剤が、処理時の飛散などにより、ニラの新葉に付着したことが原因である可能性が高いと考えらるとした。
同省によれば、当該する農作物を継続的に通常量で摂食したとしても、健康に影響を及ぼすおそれはないという。
残留基準値を超過した事案については、事案の発生した産地において、自治体およびJAから農家に対して再発防止策として、ニラの収穫後、できるだけ速やかに株元灌注し、茎葉にかからないよう指導した。また、農薬製造者を指導し、農薬ラベルに使用上の注意事項として同内容を追記させた。
同省では農薬の適正使用を推進するため、今年度も同様の調査を実施してる。
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