微生物農薬市場 消費者の残留農薬への意識の高まりが成長を後押し2020年4月17日
グローバルインフォメーション(神奈川県川崎市)は4月16日、市場調査レポート「世界の微生物殺虫剤(生物農薬)市場:成長、動向、および予測」 (発行:Mordor Intelligence LLP)を発売した。
微生物農薬市場の作物タイプ別シェア
同調査では、世界の細菌バイオ農薬市場は、2020年から2025年の予測期間中に年平均成長率(CAGR)12.8%で推移すると予測。急速に成長する有機農業は、細菌性バイオ農薬の新興技術に関しては、さまざまな成長促進因子と阻害因子がある。
従来の農薬は、鳥、昆虫、哺乳動物などの生物に有害である可能性があるが、微生物農薬は、合成農薬よりも害が少なく、標的となる害虫とそれに密接に関わる生物にのみ作用。また、取り扱いやすさが細菌バイオ農薬の採用を促進しているという。
◆セグメント別予測:果物・野菜の需要が増加
作物タイプ別では、合成農薬の残留がない新鮮な果物や野菜への消費者の意識の高まりから、果物と野菜のセグメントが2019年に最大のシェアを占め、世界中で有機農業による作付面積が増加した。
有機栽培の果物と野菜における価格プレミアムは、まだ収穫機会を損失した際に生じるコストとの採算が取れていないが、果物と野菜では細菌性バイオ農薬の需要は依然として高いと予想。予測期間中の年平均成長率は18.13%と見込まれている。
◆地域別予測:アジア太平洋が最速で成長
アジア太平洋地域は、インドや中国が牽引しており、需要面で急速な成長が見込まれている。また、アジア太平洋およびラテンアメリカの発展途上地域の市場でも成長が期待されている。
発展途上地域における有機栽培面積は、2017年に全世界で最大となる300万ヘクタールを超え、穀物の全作付面積のうち、0.3%が同地域で有機栽培されていると推定されている。
有機農家の数では、インドが最も多く80万人を上回る。新鮮な農産物(主に果物と野菜)における残留合成農薬への消費者の意識の高まりが、同地域の細菌性バイオ農薬の需要を後押しすると予想されている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日