農薬:防除学習帖
果樹の防除10 土壌病害【防除学習帖】第99回2021年4月23日
前回までに生育期~収穫期までの防除のポイントを紹介したが、今回は作期通年で問題となる土壌病害を紹介する。
土壌病害は、野菜など畑作の連作障害の原因として知られるが永年作物の果樹でも発生する。果樹での土壌病害は防除が難しく、畑作のように作物を取り除いた上での土壌消毒を行うこともできない。できるにしても、改植時など、一旦、樹を取り除いた上で行う必要があり、土壌消毒~新たな樹の育成に時間がかかるので、少しずつ改植していかなければならないので、その間複数年の収穫は望めない。
以下に、果樹の土壌病害の防除法を紹介する。
1.耕種的防除
(1)肥培管理、土壌改良の実施
樹勢が衰えると発生しやすくなるので、肥培管理を確実に行い樹勢を維持するよう心掛ける。
(2)被害樹木の除去
不幸にして病害が発生した場合は、被害樹の切り株や被害根を丁寧に掘り上げて焼却処分にする。これは、感染した根に残っている菌が伝染源になるためであり、発生部位周辺をできるだけ広範囲に掘り上げるようにする。
(3)樹勢の回復
病気になった樹は、傷んだ根を除去したり、結果数を少なくするなどして樹勢を回復させる。
2.薬剤防除
(1)新たに植える場合は、感染予防のため、植付前にトップジンM水和剤など根部処理薬剤で浸漬処理する。
(2)改植する場合は、被害樹のあった部分の被害残渣を丁寧に抜き取り、クロルピクリンなどの土壌消毒剤で消毒を行う。
(3)被害樹の治療を行う場合は、樹幹の周囲の土を掘り上げ、病害に侵された根を丁寧に取り除き、トップジンM水和剤やフロンサイドSCの希釈液100~200リットルを掘り上げ部に灌注し、土を埋め戻す。フロンサイドSCでは、専用の灌注機で根圏に注入処理することもできる。フジワン粒剤では、粒剤を病害に侵された根に塗り付け、埋め戻す土にフジワン粒剤を均一に混和したのち埋め戻す。
使用方法の詳細は、それぞれの薬剤のラベルをよく読んで正しく実施してほしい。
(4)根頭がんしゅ病では、苗床をクロルピクリン等により土壌消毒して、無病苗をつくるようにする。また、微生物資材であるバクテローズを処理する。

重要な記事
最新の記事
-
鳥インフルエンザ 鳥取県で国内6例目を確認2025年12月2日 -
東京都瑞穂町から「みずほ育ちのシクラメン」販開始 JAタウン2025年12月2日 -
「RIO GRANDE GRILL」全店で「鹿児島黒牛フェア」開催 JA全農2025年12月2日 -
広島サンダーズPOM賞に広島血統和牛「元就」を提供 JA全農ひろしま2025年12月2日 -
卓球「混合団体ワールドカップ2025」日本代表を「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年12月2日 -
対象商品が送料負担なし「石川県 国消国産キャンペーン」開始 JAタウン2025年12月2日 -
食や農の未来を担う次世代を応援「全国農業高校 お米甲子園 2025」に特別協賛 JA全農2025年12月2日 -
JAタウン「ホクレン」おすすめ商品25品「お客様送料負担なし」で販売中2025年12月2日 -
澤乃井小澤酒造へ「オリジナルICHI-GO-CAN」日帰りモニターツアー募集 農協観光2025年12月2日 -
鹿児島にウルトラパワーを「JA-SSウルトラそそグッド大作戦」始動 JA鹿児島県経済連2025年12月2日 -
米価下落の予兆【森島 賢・正義派の農政論】2025年12月2日 -
英国海外子会社の社名を変更へ 井関農機2025年12月2日 -
冬いちご日本一を決める「第3回クリスマスいちご選手権」開催 日本野菜ソムリエ協会2025年12月2日 -
地域の農業支援を通じて企業価値を高める CSRオンラインセミナー開催 フェイガー2025年12月2日 -
ファンと社員の愛が詰まった「2026年紅白福袋」数量限定で発売 エスビー食品2025年12月2日 -
年末年始の大掃除でこども食堂を応援「モノ寄付」冬のキャンペーン開始 むすびえ2025年12月2日 -
精鋭が接遇力を披露 配達業務品質の頂点は白岡センター パルシステム埼玉2025年12月2日 -
深谷市「DEEP VALLEY Agritech Award 2025」最優秀賞はエンドファイト2025年12月2日 -
家庭の照明を落とそう エチオピアに明かりを届けるキャンペーン開始 パルシステム2025年12月2日 -
愛媛大、豊橋技術科学大と「グルタチオン」による高温ストレス耐性向上で共同研究 WAKU2025年12月2日


































