ポジティブ回答上回る 自宅待機解禁後の中国 生活者意識調査 博報堂生活綜研(上海)2020年4月21日
博報堂生活綜研(上海)は、中国の生活者の意識・行動に関する調査・研究を2月24日から3月4日にかけて実施。「新型コロナウイルス流行による生活者意識調査」として結果を発表した。
上海で2012年から活動する博報堂生活綜研は、中国・武漢での75日間に渡る封鎖が4月8日に解かれたことを機に、長期の自宅待機生活が、中国人のライフスタイルや意識・行動にどのような変化を与えたのか調査した。その結果、厳しい制限のもと不自由な生活を余儀なくされながらも、自分や家族の生活をポジティブに見つめなおし前向きに進もうとする中国の生活者の姿が浮き彫りになった。
◎74%が「家族を大切にしたいと思うようになった」
自宅滞在時間が増える中、生活意識や行動の変化についての回答は、「家族を大切にしたいと思うようになった」(74%)がトップ。続いて、「健康を意識した食生活をするようになった」(63%)、「健康のために運動を意識して行うようになった」(62%)と健康への意識の高まりが、2、3位を占めた。
また、「将来の生活に対して漠然とした不安を感じるようになった」(35.8%)や「今の生活に物足りなさを感じるようになった」(30.9%)といったネガティブな回答を、「自分の生活の在り方を見直したいと思うようになった」(57.2%)など前向きな回答が上回った。
◎冷凍食品やデリバリーより自炊
消費意識・行動の変化では、外食できない期間が長期化するなか、「自宅での料理方法やメニューを工夫するようになった」(57.4%)と回答した人は「冷凍食品などの即食を利用する機会が増えた」と回答した人(28.1%)を上回った。
また、「家の外より、中でできるレジャーの利用機会が増えた」(63.4%)、「オンラインスーパーを利用する機会が増えた」(56.2%)、「ECを利用する機会が増えた」(54.6%)といった回答が上位を占め、新たな"インドア消費"が生まれていることがわかった。その一方、「デリバリー利用が増えた」という解答は 31.7%に留まった。
さらに、「買い物をするときはできるだけ節約したいと思うようになった」(49.2%)、「衝動買いすることが少なくなった」(45.1%)、「買い物をする時は時間をかけて選ぶようになった」(41.1%)と慎重な消費姿勢が強まっている。
◎半数以上が「SNSの他の人の投稿をよく見るようになった」
情報に関する意識・行動の変化では、「スマホを見る時間が増えた」と回答した人が69.7%。また、50.8%の人が「SNSの他の人の投稿をよく見るようになった」と回答した。
オンライン、アプリサービス利用の変化としては、「ショート動画」(53.4%)、「ネットショッピング」(51.5%)、「O2O サービス」(50.5%)の利用が増加したと回答した人が上位を占めた。
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