コロナビールが国産ライム市場に挑戦渋谷区の屋上で都市型農業に着手2021年4月21日
グローバルビールブランドのコロナエキストラは、国産ライムの可能性に挑戦する「プロジェクトライム」をスタート。食と農の民主化を目指すスタートアップ企業、PLANTIOとタッグを組み、アーバンファーミングと国産ライムの需要創出に取り組む。

コロナビールに「ライム」は欠かせない存在。ボトルに挿したライムを落とし、ライムのフレッシュな果汁とビールが合流して、初めて「コロナビール」が完成する。最高のコロナビールを突き詰めると、新鮮で香り高く、果汁量も多い「国産ライム」にたどり着くが、国産ライムは生産量が少なく、なかなか手に入らない。そこで同社は、「アーバンファーミング」と国産ライムの需要創出に取り組む。
アーバンファーミングは、ビルの屋上など、都市部の遊休地を活用し農を普及させていく取り組み。既存流通によるフードロスや、持続可能な社会実現のために計画される屋上緑化にも有効で、東京23区内のビルの屋上には東京ドーム1900個分の農業用地ポテンシャルがあり、その全てをファーム化した場合、50万食分の野菜を栽培することが可能となる。コロナエキストラは、自社でライム作りに着手し、企業として都市型農業に取り組むことで、アーバンファーミングの推進力になると考えている。
一方、現在、日本全体のライム輸入量約2000トンに対し、国産ライムの生産量は約3.5トン。農家にとっても他の柑橘類より出荷単価が高いライムだが、国内生産が拡がらない理由には、「需要が見えづらい」と同社は想定。これに対し、コロナビールとともに使われるライムの消費ポテンシャルは、推定100トンであることから、同社は、コロナビールのライム需要と国内柑橘農家の供給をつなぐことで、国産ライムの市場拡大と国産ライムの可能性に挑戦する「プロジェクトライム」に取り組む。
アーバンファーミングでライムを自社栽培
アーバンファーミングによるライムの自社栽培では、PLANTIOが提供する都市型農園施設とタッグを組み、渋谷区の屋上遊休地を活用してコロナビールのための国産ライムを栽培。畑は5月1日から稼働予定。PLANTIOの農園はコミュニティ機能もあり、ユーザーが共同管理する"シェア型"であることが特徴の一つ。コロナエキストラが栽培を始めるライムファームも、今後PLANTIOユーザーと一緒に育てていくことを視野に入れている。
また、コロナエキストラが持つライム需要と国内農家のライム供給をつなぐ役割を担うチャレンジでは、国内柑橘農家と提携し、一定規格を満たすライムを提供。今年は試験的に国産ライム栽培の先駆者である和歌山県の柑橘農家「観音山フルーツカガーデン」から採れたてのフレッシュライムを買い取り、収穫時期の9月以降、一部店舗での提供を予定している。
プロジェクトに協力する観音山フルーツガーデンの児玉代表
国産ライムについて、課題が多いと感じていたという観音山フルーツガーデン代表の児玉芳典氏は「安全安心の観点でも国産を強くおすすめしたいし、国産の自給率も高めていきたいところ。国産レモンは最近ブランド化され少しずつ需要が見えてきたが、ライムはまだまだ。実際に、ライムを栽培している農家さんから、売り先に困っている、という問い合わせもある。ライムを必要としている店舗や定期的に仕入れてもらえるルートがあれば、農家も安心して栽培できる。今回の取り組みをきっかけにライム流通の入り口を広げていければ、本当にありがたい」と同プロジェクトに期待を寄せる。また、コロナエキストラのブランドマネージャー、クリストファー・ジョーンズ氏は「今回の国産ライムに関する取り組みは、ブランド全体としても大きな一歩。私たちのニーズと社会課題を組み合わせた国産ライムを鍵とする取り組みを成功させて、来年以降のさらに大きな挑戦に繋げていきたい」と意気込んでいる。
今年は実験的な取り組みをすすめ、国産ライム市場で価値を提供できると判断できれば、今後は自治体や農業関連団体との連携、希望農家からの参加募集、オリジナルメニューの開発などを検討する。
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